疲労がたまってきた状態を歪みに置き換えると、その人がもともと持っている体質的な歪みに加えて、一時的な歪みが上乗せされています。
施術の前、「立った姿勢」「座った姿勢」「仰向け」「うつ伏せ」などで動きのチェックをします。
そのときに、例えばうつ伏せで膝を曲げ、かかとをお尻につけていくとします。
疲労がたまっておらず、その人の歪みがシンプルに現れている場合は、左は曲がりやすくてお尻にかかとがつき、右は硬くて、なかなかお尻につかないなど、誰が見ても左右の差が分かります。
しかし、今回の男性のように疲労がたまってきている場合、あるところまでは左が曲がりにくいのに、そこから先は右が曲がりにくい気がして、最終的にはどちらも同じくらいに感じる、など、動きの差が分かりにくいのです。
一時的な歪み(新しい歪み)はトレーニングによる筋肉疲労が、もともとの歪み(古い歪み)は、関節や靭帯の慢性的な硬さまでが関与した歪みと言い換えることができます。
同じ曲がりにくさでも、左脚は筋肉疲労による、右脚は膝関節の硬さによると、分けて考えなければなりません。
このようなときの施術で、各部を触りながら、「ここは筋肉疲労、ここは靭帯が硬い、ここは……」と順番に進めていては、とても時間がかかります。
そうかといって、右脚と左脚を同じ「曲がりにくさ」でひとくくりにして、同じ技を施しても、片方は整っても片方はそのままということに。ではどうすれば効率よく効果的に施術を進められるでしょうか。
先日の均整東京支部研修会テーマ「筋肉のトリガーポイント」を均整法的に用いた「回旋型調整(=捻れ取り)」を施術の最初に置けば、筋肉疲労から来ている分の歪みを、一掃することができます。
その後に、靭帯や関節の硬さから現れている、その人のもともとの歪みを整えればよいのです。
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もともとの歪みに、一時的な筋肉疲労性の歪みが上乗せされた状態のうちに整えておく。今回の男性の選択は、将来の慢性的な不調予防にも、大きな力を発揮します。
一時的な歪みに耐えている筋肉や靭帯、関節は、いずれ慢性的な歪みに変化します。
その上にまた一時的な歪みが乗り、それを放っておいてまた……と繰り返すうちに、下図(4)の状態、一見バランスが取れて姿勢がよいけれど、どこか不自然な見た目に。
ここまでくると、一気に(4)から(1)にはなかなか戻らない上に、原因不明の様々な不調のベースとなります。
施術を何度も繰り返しながら(4)から(3)、そして(2)から(1)へと、逆にたどっていく必要があるため、時間がとてもかかるのです。
できれば(2)くらいのうちに、こまめに捻れをとっておきましょう。
すべての不調を、均整法はかたちや動きに置き換える視点を持っています。
病院での受診も常に頭に置きながら、均整法視点もぜひ、ご活用下さいね。
※「回旋型」「前後型」など、12種体型については、こちらもどうぞご参考に。快風院症状別体型紹介ページ『12種体型』
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