別の40代男性。椅子に座ろうと膝を曲げていくときに右膝が痛む。
ときどき当ブログのテーマに掲げる「季節」の影響。今回のお二人にもまさに現れていました。
今は、暦上はすでに「夏」。5月5日が「立夏」だったのです。
立夏や立春など、季節の変わり目の前後10日くらいに、体には様々な変化が現れます。お二人とも痛みだしたのはゴールデンウィーク頃とのこと。
春は「肝」の季節。夏は「心」の季節。体調がよいと「肝」から「心」へのバトンタッチがスムーズです。
ひとつ前、あるいはいくつかの季節にまたがって内臓疲労がたまっていると、このバトンタッチがうまくいきません。
お二人の背中、胸椎5番と9番に歪みが目立っていました。
胸椎5番は「心兪(しんゆ)」に、胸椎9番は「肝兪(かんゆ)」に近く、それぞれ心臓や肝臓の疲労が現れやすいのです(下図参照)。
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均整法では姿勢や動作を12種類に分けて考えます。
胸椎5番と胸椎9番はちょうど、12のうちの「前後型」を構成する椎骨として同じグループに所属します。
前後型というのは、体の前屈や後屈など、‘前後’への動きに特徴があります。
そのような視点から膝関節をよく観させていただくと、特に最初の男性は、膝が必要以上に反る傾向にありました(「反張膝」といいます)。膝関節の前後バランスの乱れととらえることができます。
こうして、膝の状態をよく観させていただいた上で、施術では膝には触らずに、胸椎5番と9番を中心とした「前後型」調整を用います。
あくまでも全体のバランスの中で、膝の状態が自然と整っていくことを目指すのです。
膝関節に影響の大きい椎骨は「腰椎3番」ですが、今回のように季節の関係などで他の椎骨の影響のほうが大きいときには、セオリーにこだわらず臨機応変にいくとよいのです。
ちなみに二人目の男性は、体を‘捻じりながら’椅子に座るときに特に痛むとのことでしたので、腰椎3番を含む「回旋型」調整の要素を少々、前後型調整に加えました。
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膝に限らず、この時期、なぜだかわからない不調を毎年繰り返す方には、12種体型「前後型」調整を「肝」から「心」へのバトンタッチ施術としてお勧めします。
すべての不調を、均整法はかたちや動きに置き換える視点を持っています。
病院での受診も常に頭に置きながら、均整法視点もぜひ、ご活用下さいね。
※均整法では「前後型」「回旋型」「骨盤型」など、体型を姿勢や動きによって12種類に分けて考え、さらに悪姿勢や偏った動作からか来た歪み(外界からの歪み)か、内臓疲労から来た歪み(内界からの歪み)かを分けて調整します。12種体型については、こちらもどうぞご参考に。快風院症状別体型紹介ページ『12種体型』
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