40代女性のお客様Uさん。最近、左膝が痛くなってきたとのこと。
痛い箇所そのものは病院での治療に任せ、均整施術では全身のバランスの中で、膝にどのように負担がかかってしまうかを観ていきます。
膝への負担のかかり具合を観るポイントのひとつが「膝眼(しつがん)」と呼ばれる、お皿(膝蓋骨)の下のくぼみ部分(下図赤丸参照)。
膝に負担がかかっている場合、多くは外側の膝眼(外膝眼〜がいしつがん〜)が、内膝眼(ないしつがん)よりも下がっています。
これはももの骨(大腿骨)に対して、スネの骨(脛骨)が捻れてしまっていることを表します。
逆に外膝眼が上っていたり、上がり下がりはなくても、内膝眼に比べてキュッと硬くなっていたりする方も。
たとえば横座り(お姉さん座り)の習慣が長くて膝を痛めてしまった方などに、ときどき見られます。
立った姿勢で上半身をどちらかに捻ってみるとよく分かりますが、どんどん捻るにつれ、膝にも捻れが加わります。
Uさんのように全体の捻れが強い、均整法12種体型で「回旋型」と呼ばれるタイプの方は、膝に負担がかかりやすいです。
回旋型を整えるためのポイントとなる椎骨は腰椎3番(脊柱後面図参照)。
腰椎3番を中心に全身のバランスを整えた結果、外膝眼と内膝眼の高さがそろえば施術は成功です。
回旋型タイプでも、膝を痛めない人ももちろんいます。いくつかの要素が重なると痛めやすくなるのです。
たとえば、腰椎3番は卵巣への影響も強いため、生理の周期に合わせて膝が痛くなる女性もいます。「回旋型」に「卵巣疲労」が重なった膝痛です。
この場合は、婦人科系と消化器系の内臓同士など、自律神経バランスを視野に入れた調整が必要です。
股関節や足首(足関節)の使い方が悪くて、膝に負担が集中した結果、痛めることもあります。
回旋型であっても、体の使い方がうまければ痛めることはないのです。
この場合は、股関節や足首エクササイズ(下記の本『内臓ウォーキング』中で紹介しています)を左と右、交互に試していただくと、たいてい膝の調子が悪いほうがエクササイズもうまくできません。
そこで、股関節あるいは足首エクササイズを「左右同じようにできるように練習して下さいね」と、宿題として持って帰っていただくことも。
エクササイズを繰り返しているうちに、日常の動作、特に歩き方に反映するようになります。
すると膝への負担が減る上に、膝や足首、股関節、もちろん上半身も含め、あらゆる関節を通じて内臓によい刺激を送ることもできます。
今回の例でいえば、膝→腰椎3番を通じて、卵巣を元気にすることができるのです。
すべての不調を、均整法はかたちや動きに置き換える視点を持っています。
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