先週(2017年7月29日)の記事「足首の調子が悪い人は腕もしびれやすい?」では、体の一部に不調が起きる際、全体の姿勢からどのように一部に負担が集中し、不調につながるかの例を見てきました。
全体の姿勢には、自律神経のバランスの乱れも現れます。
ストレスその他により交感神経ががんばりすぎているとき、その姿の現れやすい箇所が体中にいくつもあり、全体の姿勢にも影響を与えます。
たとえば「おへそ周り」「首のつけ根」「尾骨」など。今日はそのうちのひとつ、「肩甲骨」の位置です。
40代女性Tさん。月に1度ご来院されますので、姿勢の変化があれば、すぐに分かります。
その日はいつもより肩幅があるように見えました。肩甲骨の位置を詳しく観てみると、背中の中心(脊柱)から外側に向かって離れすぎています。
正しい肩甲骨の位置は、その人の指幅で脊柱から3本といわれています。
Tさんは4本ありました。なぜこのように離れるのでしょう?
肩甲骨の間にある椎骨、胸椎5〜9番の前側には交感神経のひとつ「大内臓神経」があります(下図の赤丸内)。
交感神経のがんばっている姿が大内臓神経を通して姿勢に現れると、胸椎5〜9番あたりの背中が後ろに盛り上がってきます。
それに押されるかたちで、肩甲骨は外側に移動します。そのために脊柱からの指幅距離が変わるのです。結果、猫背に見える人もいます。
逆に指幅2本など、肩甲骨が寄ってしまう人もいます。
交感神経は副交感神経とシーソーのようになっていますから、もともと体質的に副交感神経が優位すぎる人や、交感神経が長年がんばりすぎて疲れ果ててしまい、以前は盛り上がっていた大内臓神経部分の背中が、逆にへこんでしまった人に見られます。
ではどうすればいいのでしょうか。均整施術では、肩甲骨の位置を整えることで、肩甲骨を通じて交感神経や副交感神経のバランスをとることができます。
もちろんおへそ周りや尾骨を通じることもできます。
日常生活の中でも、肩甲骨をよく動かしている人は、自律神経のバランスがよいといえます。
「じゃ、腕をよく回したり、背伸びしたりすればいいのでしょうか」とのご質問をいただきます。このようなエクササイズも大切です。
でも、それを日に何度かするだけで、肩甲骨をゆるめて正しい位置に保つことは、なかなか難しいです。
それよりも日常動作の中で、肩甲骨が自然に動くようにするほうが効率的。それには、肩甲骨を使える歩き方を身につけるのが一番です。
手前味噌ですが、昨日発売の拙著『内臓ウォーキング』は、このような意味で、自律神経ウォーキングでもあるのです。
『体内疲労をとる5分間内臓ウォーキング
―脳から肝臓・胃腸・子宮まで若返る!(さくら舎刊)』
歩きを通じて、肩甲骨をはじめ、体じゅうのあらゆる箇所から自律神経のバランスを整えることができます。
あなたのこれからの健康の、お役に立てば幸いです。
すべての不調を、均整法はかたちや動きに置き換える視点を持っています。
【お知らせコーナー】
1)10月開講の「身体均整法学園」大阪校。8月6日が入学説明会の最終日です。詳しくは下記をご覧下さい。
http://ameblo.jp/kinseihou/entry-12073795518.html
2)9月には旭川校も開講します。こちらもまだ間に合いますので、下記をご参考に、お早めにお申込み下さいね。
http://ameblo.jp/kinseihou/entry-12279117857.html
3)8月28日(月)開催:均整センター「施術モデル」募集
4)輪ゴム均整の本、好評発売中です。発売から1ヶ月半、増刷も決定しました。ご購入下さった皆様、ありがとうございます。より多くの皆様のお役に立ちますように。
5)8月4日、内臓疲労解消ウォーキングの本が発売されました。施術後のお客様へのアドバイスをまとめ、生まれた本です。
『体内疲労をとる5分間内臓ウォーキング
―脳から肝臓・胃腸・子宮まで若返る!(さくら舎刊)』