膝が痛いという場合には、まず腰(腰椎・骨盤)のバランスを整えることが鉄則です。膝を動かす神経は腰部に始まるからです。その流れを整えなければなりません。
膝の観察ポイントは、膝のお皿(膝蓋骨〜しつがいこつ〜)を中心として、膝の内、外、上、下、あるいは膝の中(膝のお皿をはずしたとして、その下)などで、それぞれによって腰部のどこからの神経なのか、目安にします。
この方の場合は、膝の中が痛いとのことでした。左右の膝を比べてみると、右の膝全体、特にももに近い側がキュッと締まったように硬く感じられます。
このようなときには、腰というよりもお尻にある骨盤の関節(腸骨と仙骨をつなぐ仙腸関節)に硬さのあることが多いです。観させていただくと、やはり右の仙腸関節上部が硬く、動きが少ないです。
全体の姿勢としては左右型のF4(フォーム4)でしたので、その施術の中に仙腸関節の調整も加えると、さきほど硬かった膝の手触りは左右とも同じになりました。
フォーム4は右足に体重が乗りやすい体型といえ、右肩が下がり、右腰や右膝、足首などに負担もかかりやすく、そこへ何か別の要素が加われば、いつも負担のかかっている右側のどこかの部位に出やすいのです。
別の要素とは、例えば長年の食べ過ぎや、お酒の飲み過ぎ習慣etc.のこと。40代男性で、病院では右膝「偽痛風」との診断を受け、来院された方もF4でした。
バランスの偏りから本格的な病気への一線を越えるとき、いつもいちばん負担をかけている部分(こちらの男性であれば、左膝ではなく、やはり右膝)にくることが多いようです。
バランスの偏りを普段から整えておく意味のひとつが、このような面からも見えてきます。
※「フォーム4」については、こちらも参考になさって下さいね。快風院 症状別体型研究『12種体型』