均整法では、凝りや痛みのときには12種体型での「回旋型(捻れ型)」を整えていく施術が基本になります。
例えば、右背中上部の凝りでお悩みの20代女性。
立ち姿勢を観させていただくと、下半身(骨盤)は左へ回転し、上半身は逆に右へ、首から上は再び左に捻った姿勢になっていました。12種体型ではF5(フォーム5。右回旋型)と分類されます。
この姿勢を真似していただければ分かりますが、右の背中上部や左腰を力ませないと、この姿勢になりません。ということは、F5のこの女性の右背中上部と左腰には、常に無意識の力みが入っているということです。
捻れが許容範囲内であれば、その方のいちばん動きやすい‘構え’ともいえますが、度を超えて捻れてくると、そこに違和感を生じてしまいます。
たまたま受けたストレスなどに対処するための、一時的な姿勢であればよいのですが、長引いてくると、骨盤や肋骨、頭蓋骨のかたちそのものも歪んできます。例えば、この方の場合は、左の骨盤(腸骨)が開いていました。
もうひとつ、ご本人に実感していただけたのは、仰向けで、後頭部を私の両手で持たせていただいたとき、後頭部が私の手のひらに当たる感触として、左には丸みがあるのですが、右は平らになっていたことでした。
上半身が右に捻れている姿勢では、首から上は左に捻っておかないと、正面を向いていられません。その無意識の姿勢が長く続いた結果、左の後頭骨が後ろに出て、右は前に行くことで、右だけが平らになってしまったのです。
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この方の場合は、まず骨盤の捻れ(左が開いている状態)を整えることで、右の後頭骨にもほどよい丸みが出てきました。私の手のひらに当たる感じで、右にも丸みが出てきたとおっしゃっていました。
頭蓋骨はジグソーパズルのように、いくつものピースからできていますので、呼吸などに合わせて肋骨が動くのと同じく、常にわずかに動いています。
よって、捻れが軽い場合、この方のように骨盤などが整ってくれば、連動して頭蓋骨も整ってしまいます。
逆に、症状が慢性化してくるにつれ、頭蓋骨をはじめ、骨盤、肋骨も歪んだまま固着して動きが少なくなり、多少のことでは整いにくくなってくるのです。
例えばバセドウ病(バセドー病、バセドー氏病などとも呼ばれる、甲状腺機能亢進症のひとつ)の治療で、血液検査などでは異常がなくなったものの、片側だけ眼球突出(眼瞼後退)がなかなか戻らない場合。
その側の後頭骨が平らになっていて、その分、前側に押されて出ているなど、もともとの姿勢として回旋型があり、捻れた頭蓋骨のかたちが強調されたまま、固着している可能性もあります。
その場合でも、均整法ではバセドウ病に対して、など、病気に対しての施術を行うことはなく、あくまでも12種類のうち、どれかの姿勢に当てはめ、その姿勢をほどよい位置に戻していくというスタンスになります。
※12種体型、回旋型については、こちらもどうぞご参考に。快風院症状別体型紹介ページ『12種体型』
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