どのような動きや姿勢をしていたときに痛めたのかが、とても大切な手がかりとなるのです。
前後の動きは他に、頭の疲れ(脳疲労)からの不調も表しやすく、今回はその一例です。
40代男性。腰を初め、あるときは肩、あるときは背中。痛いのか重いのかはっきりしない不快感があり、日によって移動する。病院では異常なし。
この日は主に腰が調子よくないとのことでしたが、腰椎を観させていただいても、さほどの歪みや硬さはありません。逆に変にやわらかい感じがします。
それでも、仰向けで両膝を立て、胸の方につけていこうとすると、「腰の辺が……」と、顔をしかめます。
3年前の地震直後にも何人か、同じような状況の方がいらっしゃいました。
筋肉や靭帯を痛めたわけではないのに、腰その他の調子が悪い場合、脳疲労から、頭と体のバランスが乱れていることが多いのです。
具体的には、首を境にして、上(頭)はガチガチ、下(体)はフニャフニャの状態。
ストレスへの対処に頭(脳)を使いすぎて、首から下のコントロールが効かなくなり、多くの不調を感じてしまっているのです。
現在放送中の大河ドラマ「軍師官兵衛」では、官兵衛が幼少の頃、自分が興味をひかれる話題になると、興奮のあまり我を忘れ、おしっこを漏らしていました。
子犬も、かまってもらえたうれしさに興奮してお漏らしすることがあります。
頭が興奮しすぎたことによる、体の制御不能状態という面では、今回の男性と共通しています。
施術としては、頭から足先まで、背中側を通る「膀胱経」ライン(下図参照)を用います。
腰椎など、骨格を観ていたときには異常は感じられなくても、視点を変えて経絡ラインをたどると、何かが見つかります。
背中のライン上に極端にやわらかすぎるところがあったり、頭のライン上には非常な硬さの凝りがあったり。
このライン全体の硬軟バランスを取り戻すように整えると、顔をしかめることもなくなりました。
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なるほど!腰がやわらかすぎるときは脳疲労調整!
とばかりはいきません。
例えば慢性腰痛でお悩みの、別の40代男性は、長年、長時間のデスクワークにより大腰筋(下図参照)が凝りすぎていました。
その分だけ、腰椎を前に引っ張り続け、上記の男性と同じように、背中側がやわらかくなってしまっていたのでした。
よって、二人の腰の見た目は同じでも、均整法では先の男性を「上下相関」、後の男性を「背前相関(はいぜんそうかん)」という別々の考え方を用いて調整し、動きのやわらかすぎる腰椎に、ほどよい硬さを取り戻していくのです。
※均整法では歪みを「回旋型」「開閉型」「前後型」など12種類に分け、「上下相関」「背前相関」「斜身相関」などの考え方を用いて調整します。12種体型についてはこちらもどうぞご参考に。快風院症状別体型紹介ページ『12種体型』
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