施術にいらしたこの日も、スプーンをかろうじて差し込めるくらいしか開きません。1週間ほど食事や仕事に不自由な思いをしていらしたのです。
これを読んで下さっているあなたにも試していただきたいのですが、立った姿勢で顔を左へ向けるところまで向け、口を開いてみて下さい。正面を向いているよりも開きにくく感じるはずです。
そこからさらに、うつむいた状態で開いてみて下さい。もっと開きにくくなるでしょう。
今回の女性の場合、このような「顔の左向き+うつむき」の歪みが体に起こっていたのです。
もちろん、先ほど試していただいたように、大きく分かりやすく歪んでいるわけではありません。
一見まっすぐな、よい姿勢だと思うくらいの中で起こっている、均整師から観てようやく分かる微妙な歪みです。
顎関節(下図参照)の動きに関係の深い頸椎は2番と4番。2番は回旋の動き、4番は前後の動きにそれぞれ連動します。
普段から顎の調子の悪い方は、このどちらかに歪みのあることが多いです。
どちらか一方の歪みだけのときは、まだ何とか調子を保つことができるともいえます。
均整法12種体型では、頸椎2番は「右回旋型(胴体は右に、顔は左に捻れるタイプ)」、頸椎4番は「前屈型(顔をうつむくなど、前に曲げる動作が楽なタイプ)」にそれぞれ属します。
今回の女性はもともと前屈型の要素が強いご様子。
そこに、ここ最近の忙しさから疲れがたまり、体ががんばっているうちに、徐々に捻りを加えていたのでしょう。
最終的に2番と4番の歪みを、ダブルでもらってしまったようでした。
よって、施術としては右回旋型+前屈型調整。
施術が終わって「どうですか?」と伺うと、「あれ? 開いた!? びっくり!」 とのこと。
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あなたの友達が、なぜか顔を左に向け、うつむいたまま「口が開きにくい」と言っていたら、「前を向いて開いてみたら?」とアドバイスしてあげたくなりますよね。
一見、よい姿勢の中に、わずかな左向き下向きを見つけてアドバイスと調整をさせていただくのが、均整師の仕事です。
もちろん念のため、MRIの検査は受けていただくようにお願いしました。
わずかな歪みでも、長年続けているうちに、顎関節内の関節円盤(上図参照)などを傷めているかもしれないからです。そうなれば、顎関節自体の治療はお医者さんの仕事。この連携が大切です。
今回は頸椎の歪みが、この女性のウイークポイントともいえる顎関節に影響していました。
直接頸椎に影響すれば「寝違え」に、同じことが腰椎に起これば「ぎっくり腰」につながります。その意味では、今回は「ぎっくり顎」ともいえるでしょう。
すべての不調を、均整法はかたちや動きに置き換える視点を持っています。
病院での受診も常に頭に置きながら、均整法視点もぜひ、ご活用下さいね。
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