講師3人のうちの1人として、上記タイトルをテーマに、講義の1コマを担当致しました。
当日は、硬膜管を意識した上部頸椎の調整をメインにご紹介しました。
硬膜管の付着部である上部頸椎(正確には大後頭孔と頸椎2番、3番)。その中で異常のある箇所には、脳脊髄液の流れのリズム(液の生成とともに体全体がわずかに膨らみ、吸収とともに縮む)が届きにくくなります。
異常箇所にあたる椎骨は変位し、周りの筋肉や靭帯は、言葉でいえば‘枯れた’ような状態になり、固まって、動きが少なくなっています。
そこで椎骨を一度、変位方向にさらに絞り込んでゆるめ、リズムが届いてしなやかに、潤うように復活させるのです。
上部頸椎調整のための準備として、以下の操法をご紹介しました。講義でお話しできなかったポイントを追加します。
【仙腸関節の解放】
上前腸骨棘をはさむ肘と手先は、床方向へ押さえつけずに、上(やや頭側)に引き上げます。
体格の違いにより、肘と手先で左右の上前腸骨棘をはさめない場合は、ご本人に両側から骨盤を押さえてもらう別法もあります。ただ、力むためにリラックスしにくいため、はさめなくても「はさんでいるつもり」のかたちをとって操作するほうがよいようです。
【蝶形骨の加圧と減圧】
皮膚のアソビを取るくらいの圧です。蝶形骨大翼の奥の、蝶形後頭底結合(下図の赤丸)の硬さが、もぞもぞもぞっと解放されるのを感じたところで終了します。
加圧も減圧もせずにこめかみにそっと指を当てていると、大翼(下図の金色部分)が体の膨らむリズムに合わせて足方へ、縮むリズムに合わせて頭方へ動くのが感じられます。
大翼の足方への動きが大きければ、体は交感神経優位の傾向に、頭方へ大きければ副交感神経優位の傾向にあります。自律神経の状態を、施術の最初と最後などで確認するときに役立ちます。
【脳空調整】
目の均整法を用いても、上部頸椎はよくゆるみます。
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関節突起周りにある凝りの後面→側面→そして前面へと、沿うようにたどって、横突起周りの凝りを探してゆるめます。場所によって、上頸~星状交感神経節の調整にもなります。
【下部頸椎調整】
矯正方向で刺激が強すぎるときには、くつろぎ方向からがよいでしょう。
【肩関節最密位】
最初の上腕骨頭への操作のときに、腕に力が入るタイプの方に対しては、肘を90°以内にして調整すると力が抜けやすいです。
上腕二頭筋腱をグリッ、と押すと痛いので、うまくよけて下さい。
【肋骨可動性調整】
あらかじめ、肋骨の可動範囲を確認しておき、その範囲内で調整します。
【足関節の牽引】
牽引しきったところから、急に戻さないようにしましょう。うつ伏せよりも仰向けの方が上部頸椎に届きやすいようです。
以上、ご参考になれば幸いです。
今回の記事は講習会へ参加された方、後日、講習会DVDの手に入る方向けでしたので、分かりにくかった皆様には失礼致しました。
次週からまた、いつものスタイルに戻ります。お楽しみに。
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