20代女性。子育て中の疲れからか、最近夕方になると、下を向いたときに頭がフワフワする感じがして辛い。
「フワフワする」「フラフラする」「グルグル回る」などを感じる不調は、耳や脳に関わる場合もありますから、病院での受診は大切。
その上で、現在の姿勢や動きに、普段と違ったどのような不自然さがあるかを見つけます。
この日はお子さんを預けての、午前中のご来院でした。
そっと下を向いていただくと、とても向きにくそうです。アゴが胸につきません。
逆に、上を向くのは真上の天井を通りすぎるほど、どこまでも行きそうです。
均整法では、このような「前後の動き」に特徴がある体型を「前後型」として調整します。
前後型は別名「頭脳型」。頭の疲れ(脳疲労)は、前後の動きのアンバランスとして現れやすいのです。
丸一日、気を張って育児に追われ、夕方になる頃、脳疲労が増すと、さらに下を向きにくくなると考えられました。
前後の動きを支えている椎骨の中から、胸椎1番、9番、腰椎5番(下図参照)を整えると、「えっ? アゴって胸につくんですね!」とのこと。
中でも胸椎1番は脳に血液を送る「椎骨動脈(下図参照)」との関係が深く、動きが硬くなると脳への血流にも影響します。
ちなみに胸椎9番は肝臓と、腰椎5番は股関節と関係が深いです。
このように椎骨は1つひとつにも役割があり、またいくつかが連動して前後左右などの動きを担当する役割もあるのです。
『身体均整法学園 Facebookページ』
快風院『均整日記』、おかげさまで12年目となりました(感謝)。当ブログの考え方の核となる身体均整法。その学園Facebookページが2年前に立ち上がりました。どのようにして身体均整法を身につけていくのか、日々の授業の様子を知りたい方はこちらまで☆
『身体均整法学園』東京校・大阪校・札幌校
『各地の身体均整院』
『取材・広報』
例えば、冒頭の女性とは逆に、上を向くと首が辛くてご来院の40代女性。甲状腺の手術経験がありました。
甲状腺(下図の赤褐色の臓器)と関係が深いのは頸椎5番や6番。甲状腺の不調により、この2つの椎骨の動きも硬くなっていたようです。
特に頸椎6番でつかえて、上に向きにくいご様子。真上の天井を見ることができません。
このようなとき、頸椎6番は直接触らずに、6番と連動する役割を持つ椎骨は、胸椎3番、7番、11番……と順に整えていくとよいのです。
お帰りの際には、真上の天井を見ることができました。
全ての不調を、均整法はかたちや動きに置き換える視点を持っています。
医学的視点と合わせて、均整法視点もぜひ、ご活用下さいね。
【お知らせコーナー】
※「身体均整法」「12種体型」がよく分かるDVD、好評発売中です。『「運動系の医学」と呼ばれる手技療法-身体均整法入門-』
矢作智崇(身体均整法学園長)指導・監修
『アレルギー性鼻炎は輪ゴム1本でよくなる』
(田川直樹、おかのきんや共著)