50代女性Dさん。夜、ゲップが止まらず、苦しくてなかなか眠りに入れないとのこと。
特にパン食だった日は辛いそうです。和食系ではいくらか楽になるとのこと。
お腹を服の上から静かに軽く押さえさせていただくと、胃の出口(幽門)の位置付近が張っています。Dさんご自身も張りを感じていたとのこと。
ご来院の時間帯は夕方で、晩ごはんはまだ食べていません。
時間帯に関わらず幽門に慢性的な凝りがあり、胃で消化した食物が腸に進みにくく、ガスがたまってゲップにつながる様子。
ゲップには様々な原因がありますから、病院での受診も必要です。
医学的視点で異常がなければ、体バランス視点を活用しましょう。
普段から無意識に使いすぎたり力んでしまっている部分は、凝ったりマメができたりします。
Dさんは幽門の凝りの他、足裏のつま先寄りに、マメになる一歩手前くらいの、とても硬くなっている箇所がありました。
胃経のライン上、「内庭(ナイテイ)」と呼ばれるツボの付近です。
幽門と内庭とを一直線に結び、内庭から幽門へと刺激を伝え、もう一度幽門付近を押さえさせていただくと、「あれ? 張りがない」とのこと。
幽門の凝りをゆるめるためには、幽門を直接じーっと押さえておく方法や、背中側から胃に関係する胸椎を通じて整える方法があります。
さらに、なぜ幽門が凝るのかを、視野を広げて、全身のバランスから観た場合に、経絡ラインが有用なのです。
Dさんの場合であれば、幽門の凝りは氷山の一角で、実は胃経ライン全部が凝った「胃経こりライン」ができてしまっているととらえます。
そこで、幽門を含む胃経こりライン全体を、つま先から刺激を送って、一気にほどいてあげるとよいのです。
Dさんには、寝る前など、ご自身で足裏の硬い部分を手でつまんで、よくほどいてから寝るとよいですよ、とお伝えしました。
「たしかに、長く歩いていると、ここが痛くなってくるんです」と、とても合点がいったご様子でした。
足裏のマメは、歩いたり立ったりしているときに無意識によく使ってしまっている部分。
まんべんなく足裏が使えていれば、本来マメはできないはずです。
個人個人がこれまで身につけてきた姿勢のくせにより、ある人は親指のつけ根、ある人は小指側にマメができたり、またある人は踵がガチガチに硬くなったりして、こりラインのスタート地点ができてしまいます。
これを防ぐには、歩き方を変えることです。
胃経こりライン、肝経こりライン、腎経こりラインetc.
足裏のどこにマメができるかによってこりラインが決まり、その方の疲れやすい内臓もこりライン上で決まってきます。
足裏にマメのできない歩き方に変えることで、こりラインを作らない体バランスに、自分で整えることができるのです。
すべての不調を、均整法はかたちや動きに置き換える視点を持っています。
医学的視点と合わせて、均整法視点もぜひご活用下さいね。
※均整法では「左右型(消化器型)」「回旋型(泌尿器型)」「前後型(頭脳型)」など、体型を姿勢や動きによって12種類に分けて考え、さらに悪姿勢や偏った動作からか来た歪みか、内臓疲労や脳疲労から来た歪みかを分けて調整します。12種体型については、こちらもどうぞご参考に。
快風院症状別体型紹介ページ『12種体型』
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