40代女性のお客様Dさん。上を見上げようとすると背中の上、肩甲骨の間あたりが痛い。
3年ほどクリーニング店での仕事を続けているそうです。
店頭の天井近くに吊るしてあるお客様の衣類を、上を見上げて手を上げながら、毎日かけたり降ろしたりしているうちに痛めたようだとのことでした。
上を見上げるのとは逆に、下を向くのはなんともないそうです。
このような場合に、病院の受診で問題がなければ、均整法では前後のバランスの乱れと考え、それに応じた調整法を用います。
Dさんは「上を見上げる」や「体を後ろに反る」など後屈動作がきつく、「下を向く」や「前に曲げる」など前屈動作は楽なタイプとして「前屈型」調整。
もしも反対に「上を見上げる」や「後ろに反る」が楽で、「下を向く」や「前に曲げる」がきつい方であれば「後屈型」調整です。
12種類の調整法が用意されていますので、どなたもいずれかのタイプに当てはまります。
Dさんの「前屈型」動作を支えているのは、頸椎4番、胸椎5番、腰椎1番、仙椎4番。
下から順番に整えた後、上を見上げていただくと「あーっ、楽です」とのことでした。
状況によって、調整法が変わっていくこともあります。
たとえば整形外科で五十肩と診断を受けた50代女性Sさん。
施術を繰り返しているうちに、前から腕をあげて髪を後ろで結わえる動作は楽になり、横からあげるのはまだ辛いなど、状況が変わっていきました。
その都度、腕の動作と12種類のタイプを照らし合わせながら施術させていただきました。
痛くてしかたのない時期には、交感神経も高ぶっていますから、それをしずめていくために、仙骨と尾骨の間から整えていくのです。
他には胸椎11番も、体のどこかで炎症が起こっているときに活躍する副腎(下図の赤丸、腎臓の上の黄色っぽい臓器)が元気になりますので、Sさんの調整の最初の頃には念入りに整えました。
肩が楽になり、夜も寝られるようになってきたSさん。何回目かの施術中に「先生、毎回することが変わるんですね。なぜですか?」と、ご質問をいただきました。
上記のようにお話しすると、「先生、勉強家で、毎回施術の前に新しい技を勉強してきてくれているのかと思っていました(笑)」とおっしゃっていました。
4月、5月は「身体均整法学園」夜間コースと土日コースにそれぞれ入講された受講生のみなさんに、均整法の基本となる講義を担当しています。
胸椎11番をはじめ、各椎骨の探し方や初歩的な整え方。さらに、椎骨が整うとお腹(内臓)が整ったり、腰や首の筋肉がゆるんだり、腕の動きが変わったりすることを体験していただきます。
ちなみに11番は、コース後半で担当する「救急操縦法」では、お腹の「膨満感」にも用います。
先日いらした50代女性のお客様Bさんは、心身ともにお忙しい毎日を過ごされているうちに、「今日もお腹の張りが……」など、いくつか不調を訴えてのご来院。
11番を含む全身の施術後、驚いた様子で「あの張りはどこにいってしまったのでしょう??」とおっしゃっていました。
すべての不調を、均整法はかたちや動きに置き換える視点を持っています。
医学的視点と合わせて、均整法視点もぜひご活用下さい。
※均整法では「前屈型」「後屈型」「左屈型」「右屈型」「左回旋型」「右回旋型」など、体型を姿勢や動きによって12種類に分けて考え、さらに悪姿勢や偏った動作からか来た歪みか、内臓疲労や脳疲労から来た歪みかを分けて調整します。
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【お知らせコーナー】
1)「身体均整法学園」東京校30年度「土日コース」「夜間コース」では、若干名の追加募集を行っています。学園事務局までお問い合わせ下さい。お会いできることを楽しみにしています。
昨年度受講説明会に参加して下さった方々のご感想はこちらです。
2)6月25日開催:均整センター「施術モデル」募集