80代男性のお客様Sさん。前回のNさんと同じく、左肘の痛みでご来院。
肘には「心経」ラインが通っているため、心臓の疲れを解消すると、肘の調子もよくなることが多いです。
ひとつの方法として均整法では、主にお腹にある「募穴」と呼ばれるツボを用います。
募穴に当てはめて心臓疲労解消施術を行うときには、みぞおち付近にある「巨闕(こけつ。下図の青丸)」を用います。
各募穴には、シーソーのようにバランスを取り合っているペアがあり、そこに注目することが施術のコツです。
巨闕は「日月(じつげつ)」と呼ばれる胆の募穴がペア。
ちなみに上図の正中線上にある巨闕は1つですが、向かって左側にある日月は、右側にもあります。3点のバランスを調整するのです。
調整後は、大好きなゴルフの素振り動作を試して、満足そうなご様子でした。
40代男性のお客様Kさんは、右脚の膝からスネ外側の痛みがあるとのことでご来院。
こちらは経絡ラインに当てはめると、「胆経」ラインになります。
胆経ラインは体の側面左右に走りますから、どちらかの張りが強くなると、体の横曲げ(側屈)動作の左右差が大きくなります。
Kさんに立った姿勢で左と右に体を倒していただくと、左に倒れにくくなっていました。
右の胆経ライン上の、膝からスネの張りに引っ張られているのです。
募穴を観てみると、冒頭にも出てきた胆の募穴にはそれほど異常はありませんでしたが、肝の募穴「期門(きもん。下図の青丸)」に少々張りがありました。
加えて、期門のペアである小腸の募穴「関元(かんげん)」にも張りが。
肝と胆は、内臓でいえば肝臓と、その下についている胆嚢ですから、切っても切れない関係。
関元の張りのほうが強そうなことから、小腸の疲れを解消することをメインに、Kさんには関元と期門のペア調整。
結果的に胆経ラインも整い、側屈動作も左右差がなくなりました。
これからの忘年会シーズン、小腸や大腸腸疲労からの不調を防ぐには、飲みすぎたりお腹を冷やしすぎたりしないようにすることが大切。気をつけながら楽しく過ごしましょう。
このような、募穴を均整法に生かした内臓疲労調整「募穴応用」は、身体均整法学園では「経絡操縦法」他の授業で学びます。
均整師になって16年。様々なことを学んできましたが、今でもいちばんの拠り所となるのは、学園で習った技や考え方です。
その母校での冬の担当授業「救急操縦法」が今日から始まります。
8月から開催され、担当の一人として参加している学園説明会も、年内は来週8日が最後です。
上記ふたつの授業をはじめ、学園でどのようなことを学ぶのか、実技デモも交えて約2時間、たっぷりご説明します。
下記の「お知らせコーナー」をご覧になり、ぜひいらして下さいね。
すべての不調を、均整法はかたちや動きに置き換える視点を持っています。
医学的視点と合わせて、均整法視点もぜひ、毎日の生活の中に取り入れてみて下さい。
※均整法では「回旋型(ねじれ型)」「前後型」「左右型」「骨盤型」「肋骨型」など、体型を姿勢や動きによって12種類に分けて考え、さらに悪姿勢や偏った動作からか来た歪みか、内臓疲労や脳疲労から来た歪みかを分けて調整します。
※パソコンからご覧でしたら、あなたのお悩み、痛む箇所をキーワードとして、右欄にある検索窓で、当ブログ内を検索してみて下さい。お悩み解消に役立つ情報が、きっと見つかります。
【お知らせコーナー】
1)「身体均整法学園」平成31年度受講生募集説明会を毎月1回開催しています。詳細は「身体均整法学園」説明会ページをご覧下さい。私も担当の一人として毎回会場におりますので、学園のこと均整のこと、何でも聞いて下さいね。