40代女性のお客様Oさん。ここ1ヶ月ほど、両方の肩甲骨から首にかけて強い凝りを感じる。
ベッドの端に座っていただき、上体を左右にねじっていただくと、左にはねじりやすく、右にねじりにくくなっていました。
どこでねじりにくくなっているのかよく観ると(均整法では「観察」といいます)、肩甲骨の間の背骨の動きが硬く、そこでひっかかって動きが止まってしまいます。
辛いところと一致していますので、この部分の動きの硬さを解放することを施術目標にしました。
前回の記事でもお話しした胸椎5番、そしてその下に続く6〜9番は、交感神経ががんばりすぎたときに、硬くなりやすい部分。
よって施術としては、部分的にこの箇所を操作するよりも、全身の交感神経のがんばりすぎをゆるめて、リラックスしていただければよいのです。
交感神経のがんばりすぎは、頭の疲れが原因していることが多いです。
疲労度の目安としては、頭や体の前後への動き。Oさんはうなずく動作はしやすく、天井を見上げるのは辛そうでした。
そこで均整法12種体型のうち「前屈型」調整を用いると、天井も見上げやすく、左右へのねじり動作にも左右差がなくなり、肩甲骨間の動きが解放されました。
逆に、天井を見上げるのはしやすく、うなずくのがきつい20代女性Kさん。
最近職場の部署が変わって忙しく過ごすうちに、ふわふわするめまいや喉のつかえ感を感じるようになったとのことでした。
病院で異常がなければ、やはり前後の動きを整えていくとよいのです。
頭の疲れがたまりすぎると、後ろ重心になりやすいです。疲れ果てて、空をボーッと見上げるイメージです。
動作を真似ていただくとわかりますが、そのままでは後ろにひっくり返ってしまいます。
喉の前や胸を力ませてバランスをとり続け、のどのつかえ感につながっている方、多いです。Kさんもその様子でした。
また、後ろ重心では頭の後ろ側の働きが低下し、後頭部に収まっている、体のバランスをとるための小脳が影響を受け、めまいにつながることも。
ねじる動作は、Oさんと同じく右にねじりにくくなっていましたが、ひっかかる箇所が肩甲骨の間ではなく、胸でした。
このように、同じねじれ方でも、よく観察するとひっかかる箇所が違い、施術を進める手がかりとなります。
KさんにはOさんとは逆の「後屈型」調整を用いることにより、ねじれもうなずきもスムーズにできるようになりました。
70代男性Sさんは、右腰痛。上記のお二人と同じく、右にねじりにくい姿勢になっており、その際に右腰にひびくとのこと。
どこでひっかかるのかとよく観ると、右肩甲骨でした。
仕事その他の疲れが右肩にたまって肩甲骨の動きが硬くなり、そのまま肩の調子がわるくなるかわりに、連動する右腰のほうに不調が現れたのです。
よって、Sさんには肩の調整が腰の調整となり、調整後はねじれの左右差がなくなりました。
今回は、同じねじれの動きの中から、様々な手がかりを得られることについてのお話でした。
一見すると、ねじれの左右差がないように見える人もいます。
上体をねじっていただいても左右差はないものの、妙にどちらにもねじりにくかったりします。
その場合には骨盤全体の動きが固まっており、女性であれば、月のリズムが乱れがちなことも。
骨盤は頭蓋骨と連動しており、やはり頭の疲れすぎから、骨盤が固まってしまう女性が多いのです。
婦人科系の調子を上げ、連動して頭蓋骨も整える「骨盤型」調整が必要になります。
すべての不調を、均整法はかたちや動きに置き換える視点を持っています。
医学的視点と合わせて、均整法視点もぜひ、毎日の生活の中に取り入れてみて下さいね。
※均整法では「回旋型(ねじれ型)」「前後型」「左右型」「骨盤型」「肋骨型」など、体型を姿勢や動きによって12種類に分けて考え、さらに悪姿勢や偏った動作からか来た歪みか、内臓疲労や脳疲労から来た歪みかを分けて調整します。
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