施術が終わってベッドから降りたとき、「全然違う!」と、喜んでいただくことができました。
Kさんの骨盤を詳しく観せていただくと、左側は前に、右側は後ろに回転していました。
骨盤の回転と凝りのある箇所は、このようにつながっていました。
よって、もちろん骨盤の歪みを整えることは大切です。
ただし、さらに全体から眺めたほうがよいのです。
Kさんからお話を伺うと、仕事でもプライベートでもとても忙しく、これまでの不調歴からも、常に交感神経ががんばりすぎるタイプでした。
姿勢の面からは、全体として左重心になっていました。交感神経がんばりタイプに多い状態です。
体は、上半身の左捻りを顔(首)を右に捻ったり、腰で右に捻ったりすることで全体のバランスをとろうとします。
Kさんは腰(骨盤)で右に捻ってバランスをとる方法を、これまでの生活の中で身につけてきたご様子でした。
ということは、骨盤の歪みだけ整えても、骨盤は全体のバランスをとるため、またすぐに右捻じれに働き始め、右もも裏にも凝りが出てくるでしょう。
このことから見えてくる、Kさんに必要な不調改善方法は、骨盤の歪みを整えるより先に、交感神経のがんばりすぎをゆるめ、左重心になりすぎないようにすることです。
交感神経のがんばりすぎをゆるめる方法はいくつもあります。そのひとつが、足先の調整。
交感神経がんばりすぎタイプの方の足指は動きが硬くなってすぼまっていたり、足甲全体もコチコチに固まっていたりします。
その中でも特に動きの硬い箇所は、全体の左重心や骨盤の歪みなどをすべて、日常生活の中で支え続けている箇所でもあります。
そこを見つけ出してゆるめることができると、全体のバランスが一気に変わり、交感神経がんばりすぎがリセットできるのです。
よく見つかる箇所は、足の人差し指と中指の間にある、ツボでいうと「内庭(ナイテイ)」と呼ばれる付近です。
内庭から伸びる経絡(上図では胃経)と重なるライン上で、日常の重心を支え続けます。
Kさんの施術の中にも用い、骨盤の歪みとともに、全体の左重心姿勢を解放することができました。
この時期、密かにしもやけにお悩みの方もいらっしゃるかと思います。
いつもどの指か決まったようにしもやけになる場合、上記のように重心を支え続けて硬くなっている付近の指であることも多いです。
60代女性のお客様Sさんもそうでした。左足の薬指。「血流がわるいからだと思うのですが、直接揉むのは痛くて、揉めません」とのこと。
そんなときにお薦めするのは、指そのものではなく、そのつけ根、足甲の中にある骨「中足骨(ちゅうそくこつ)」を動かすこと。
全体の施術によって足裏の一点だけで重心を受け止めなくてもすむようにした上で、ご自身で中足骨をつまんで動かすとよいですよとお伝えします。
地道に続けたSさんからは次の施術の際、「おかげさまで、しもやけが治りました」とのご報告をいただきました。
すべての不調を、均整法はかたちや動きに置き換える視点を持っています。
医学的視点と合わせて、均整法視点もぜひ、毎日の生活の中に取り入れて下さいね。
※均整法では「骨盤型」「肋骨型」「回旋型(ねじれ型)」「前後型」「左右型」など、体型を姿勢や動きによって12種類に分けて考え、さらに悪姿勢や偏った動作からか来た歪みか、内臓疲労や脳疲労から来た歪みかを分けて調整します。
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