40代男性のお客様Jさん。半月ほど前、床に置いてあった3才の息子さんのおもちゃを避けようとして倒れそうになり、右手を床につこうと伸ばしたとき、つく前に痛めたとのこと。
ほとんどよくなったものの、今も右手を内側にひねる(ドアノブを回す)ような動きで、肩付近に少し違和感があるそうです。
病院の診察ですでに異常がなくても、その後も微妙に痛みや違和感が残るときこそ、体のバランスをチェックしてみることが、大きな意味を持ちます。
Jさんには右の股関節を整えたのちに右手を回していただくと、「あれ? なんでもないです」となりました。
股関節と肩関節は連動するため、一方を痛めると、もう一方にも影響が出るのです。
肩関節はなんともなくても、股関節にひっぱられるかたちで、肩にまだ違和感が伝わっていたのでしょう。
次に、肩関節が股関節に影響する例を見てみます。
左股関節が痛くて歩きづらい50代女性のお客様Uさんには、左の肩関節調整が功を奏しました。
ただしJさんとは違い、なにかのきっかけがあって股関節を痛めたわけではなく、いつの間にか痛くなっていたそうです。
左肩も以前からなんとなく調子が悪かったとのこと。やはり「いつの間にか」でした。
Jさんは、手をつこうと急に伸ばしたことにより、筋肉や骨格的に痛めたといえます。
対してUさんは毎日のストレスの積み重ねにより少しずつ、自律神経的に痛めた様子。
当ブログにもよく登場する自律神経「星状神経節(下図の赤丸内)」の緊張により、左肩周辺がパンパンに凝っていました。
Uさんには自律神経調整により左肩関節を、正しい位置に整えさせていただきました。
施術が進み、交感神経の緊張感が現れやすい左半身がゆるむにつれて、内側に巻き込んでいた左肩も左股関節も開き、帰り道は楽に歩けそうと喜んでいただきました。
そのため、普段からのびのびと、肩や股関節前を開いて歩くことは、実は自律神経を自分で整えていることにもなるのです。
冒頭のJさんも巻き肩で猫背タイプ。
のびのび歩きでしなやかな肩を保っておくと、とっさの動きのときにも痛めずにすむことでしょう。
歩き方のさらに細かな点については、よろしければ拙著『体内疲労をとる5分間内臓ウォーキング』をご参照下さい。
すべての不調を、均整法はかたちや動きに置き換える視点を持っています。
医学的視点と合わせて、均整法視点もぜひ、毎日の生活の中に取り入れて下さいね。
※均整法では「骨盤型」「肋骨型」「回旋型(ねじれ型)」「前後型」「左右型」など、体型を姿勢や動きによって12種類に分けて考え、さらに悪姿勢や偏った動作からか来た歪みか、内臓疲労や脳疲労から来た歪みかを分けて調整します。
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