30代女性のお客様Bさんから、「主人が腰を痛めたので、私の予約時間を主人と交代したいのですが」とメールをいただきました。
その後に、同じく30代のご主人Cさんがご来院。施術ベッドに腰掛けていただこうとすると、腰を下ろしていく動作のときに辛いご様子。
仰向けで両膝を立て、胸のほうに近づけていく動きも、途中までしか無理そうです。
さらに全体の様子を観せていただくと、腰はもとよりお腹もカチカチで、頭はずっしりと重たくなっていました。
デスクワークが毎日長時間に及ぶとのこと。
「1日10000歩を心がけて、かなり習慣になっていたのですが、この夏忙しくて、できない日が多かったです」ともおっしゃっていました。
これが改善への大きな手がかりです。
頭の疲れ(脳疲労)は、適度に体を動かすと解消されます。
そこがうまくいかずに、Cさんは頭が疲れすぎ、そこからお腹→腰と、疲れが広がった流れが見えました。
頭とお腹はとても連動が強いです。
「腸脳相関」という言葉も、よく耳にするようになりました。
均整法では、似たかたちの部位同士が連動する「同形相関」として、施術に応用しています。
また、腸疲労によりお腹が硬くなると、腸の裏側にある「大腰筋」や「腸骨筋」にも凝りが及びます。
そのため、腰周り全体の動きが固まってしまうのです。
仰向けのまま、おへその横にしばらく触れさせていただいたあと、頭を持たせていただくとずいぶんと軽くなっていました。
再び両膝を胸のほうに近づけていくと、どんどん近づいていきます。「あれ? あれ?」とCさん。
その後、ベッドに腰掛けたり立ったりを何度も繰り返しながら、「あれ? 楽ですね。なんで? あれ?」。
脳から腸へと伝わってきた疲労を、おへその横、ツボでいうと「天枢(てんすう)」からたどって解消し、結果的に大腰筋、腸骨筋の凝りをほどくことができました。
とても喜んで下さりつつも、「何だったんだろう?」と、きょとんとしているCさんに上記や下記のことをお話しました。
快風院『均整日記』、おかげさまで15年目となりました(感謝)。当ブログの考え方の核となる身体均整法。実は身につけるための学園があります。日々の授業の様子など、下記リンク先をご覧下さい☆
先日、札幌で開催された「身体均整師会」第134回全国講習会では、腸の前側に網のようにかぶさっている「大網(たいもう)」に、天枢や手先、足先からアプローチする技術を学びました。
腸はもとより肝臓、子宮、卵巣他、様々な臓器の不調を体が自力でメンテナンスするために、実はとても重要な働きをしている大網。
お腹の中で、思った以上にダイナミックに動いているため、逆に大網自体が疲れすぎるとどこかに偏ってしまい、腰や首、肩のバランスにも影響します。
今回のCさんのように腰、お腹、頭など、全体が固まっている場合には、「動けなくはないけれど、あと一歩で『ギクッ』となりそう」、という状況がよくあります。
ギクッとなってしまったら、それは腰椎の関節を捻挫のように、あるいはその周囲の筋肉自体を痛めたりしている可能性がありますので、病院での治療も必要です。
まだ全体として動きが固まっている段階では、脳や大網、大腰筋などの疲労ととらえてうまく解消できれば、「ギクッ」を防ぐことができるのです。
すべての不調を、均整法はかたちや動きに置き換える視点を持っています。
医学的視点と合わせて、均整法視点もぜひ、毎日の生活の中に取り入れてみて下さいね。
※均整法では「前後型(頭脳型)」「左右型(消化器型)」「回旋型(ねじれ型・泌尿器型)」「肋骨型」「骨盤型」など、体型を姿勢や動きによって12種類に分けて考え、さらに悪姿勢や偏った動作からか来た歪みか、内臓疲労や脳疲労から来た歪みかを分けて調整します。
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