「首の凝りがひどくて困っています」と、30代女性のお客様Wさん。
適度な運動もかかさず、セルフケアとして揉んだり温めたりしても、一向に楽にならないとのこと。
このようなときには、首や肩の筋肉そのものの凝り具合や硬さよりもまず、その奥にある背骨の状態を整える必要があります。
実際、Wさんの首や肩の筋肉は、それほど凝った様子ではありませんでした。
それなのに首が辛いのは、背骨で頭(頭蓋骨)をうまく支えられないからです。
背骨は横から見ると下図のように、頸椎・胸椎・腰椎それぞれがほどよいカーブを描いています。「生理的弯曲」といいます。
(c)フリーメディカルイラスト図鑑生理的弯曲が乱れると、よくいわれる「ストレートネック」のような状態になったりと、頭の重さを支えるための負担が必要以上に頸椎にかかり、首が辛くなるのです。
この首の辛さは、筋肉の凝りがメインではないため、頸椎を含め、生理的弯曲を整えないと楽にはなっていきません。
生理的弯曲が乱れる原因には、大きく分けて2つ、「姿勢の悪さ」と「自律神経疲労」があります。
姿勢の悪さは、たとえばよく問題になる「スマホ姿勢」。
ときどき当ブログでご紹介する、骨盤の「副交感神経」ゾーンと「交感神経」ゾーン図。それぞれの自律神経の反応が出やすいゾーンです。
Wさんは下側の「交感神経」ゾーンがへニャッとして力が抜けたようにやわらかくなっていました。交感神経の疲れを表します。
この2つのゾーンは骨盤だけではなく、背骨全体にもあります。
たとえば胸椎は交感神経ゾーン、腰椎は主に副交感神経ゾーンに分けられます。
同じゾーン同士は連動します。Wさんは骨盤の交感神経ゾーンの状態と連動して、胸椎の交感神経ゾーンにもへニャッとしたやわらかさが現れていました。
上図の胸椎のところを見ていただくと、後ろに向けてほどよい弯曲ができています。
ここがへニャッとしてしまうと弯曲がなくなり、ストレートネックというよりは、背骨全体がまっすぐな「ストレートバック」になってしまいます。
ストレートネック、ストレートバック、どちらであっても、頭を直接支えている頸椎に負担がかかり、首の辛さにつながります。
Wさんは骨盤の2つのゾーンが同じくらいの弾力になるように整えさせていただくと、胸椎の弯曲も徐々に復活しました。
首を軽々動かしながらのWさんから、「魔法みたい!」のコメントをいただきました。
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2つのゾーンは頸椎にもあり、また、腰椎はもう少し細かい分け方が本当は必要です。
「身体均整法学園」の講義「観歪法」や、私が担当している「救急操縦法」で詳しく学びます。
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