立ち姿を観させていただくと、右腰(右骨盤)を外側に張り出すような姿勢になっています。
この姿勢はギックリ腰など、急性の腰痛を起こした方がよくとり、痛い箇所を避けられるような腰の位置を、無意識に体が探しているということです。
腰の筋肉を痛めたのであれば、そこを引き伸ばしてしまうと、より痛みが増すので、痛い箇所を縮めるようなポーズをとり、結果的に、痛い側と反対の方へ腰を張り出すような姿勢になることが多いです。
腰椎の関節(椎間関節〜ついかんかんせつ〜)のどこかを痛めたのであれば、そこに圧迫が加わると痛みが増すので、痛い側に腰を張り出すことで、関節に圧迫が加わらないような姿勢をとります。
また、これら急性の腰痛の場合は、痛いところが筋肉や関節の一カ所に限定されているので、その場所を指ではっきりと差すことができます。
しかし、この男性の場合は慢性的な腰痛で、「痛いところはどこですか?」と伺うと、「この辺です」と、手のひらで右腰全体をおおうように示すことしかできません。
このようなとき、とっている姿勢は急性腰痛時と同じでも、その意味するところは異なります。
全身を詳しく観させていただくと、右の肋骨全体が、左に比べてとても硬く、弾力がなくなっていました。
右の肋骨が緊張して右の骨盤を引っ張り上げたために、それを上下につなぐ右腰の筋肉に負担がかかっており、見た目では右の腰が横に張り出し、急性腰痛のときと同じ姿勢になってしまったようです。
右の肋骨内に収まっているものといえば肝臓ですから、施術は12体型でいうと左右型(消化器型)調整により肝臓を整えていきます。
肝臓が整い、外側の肋骨にまで及んでいる緊張感をゆるめていことで、引っ張り上げられている骨盤は、もとの位置に下がっていきました。
『各地の身体均整院』
『取材・広報』
『身体均整法学園』
大阪校(2008.10~開講中)
東京校(2009.4~開講)
施術中、最近の生活状況を伺うと、先週、飲み会が何度か続いたとのこと。
すべてをお酒のせいにするわけではありませんが、このようなあとに、腰に限らず体のどこかに不調が現れる方は、今回の男性のような歪みが、一時的に強くなっている可能性が高いです。
そこで、その週は意識してお酒を控え、また、食事もよく噛んで腹八分目にするなど、肝臓、胃腸を休ませてあげることで、自力で歪みを整え、持ち直していけることも多いのです。
また、腰痛とまではいかなくても、朝起きたときなど、慢性的に腰が重いと感じている方には、このような肋骨と骨盤の歪みが、時間をかけて体にくせづいてしまっているかもしれません。
その歪みに気がつかないままでいると、特に無理をした覚えがないのに、床の物を拾ったとか、何気ない日常動作が歪みを刺激し、急性の腰痛につながることもあります。
本格的に痛めてしまう前の「これは、やばいかも」と思った時点で、腰痛ベルトよりも大切なのは、意識して内臓を休ませること。
それでも間に合わなければ、均整法による歪みのチェックと姿勢のメンテナンスで、あなたの腰の危機を、無事に乗り切って下さい。
※「左右型」については、こちらもどうぞご参照下さい。快風院症状別体型紹介ページ『12種体型』
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