お腹のどの辺りかと、仰向けに寝ていただき探ると、肋骨「ハの字」の右付近をそっと押したときに「うっ」と。

今度はうつ伏せで、右肩甲骨と背骨の間を1点、その少し下を1点、ポンッと軽く弾きます。

しばらくして、先ほどの右「ハの字」付近からギュルギュルと、何か音がしてきました。お腹が空いたときの音とは少し違います。
実はこれは胆のう(「ハの字」図の赤丸)から、消化液のひとつ、胆汁が出るときの音。胆のう疲労により、出にくくなっていた胆汁が、施術により出やすくなったのです。
施術後、ベッドから起き上がると「えーっ!? 軽ーいっ。来る前、あんなにお腹が重たかったのに、なんであれだけ(背中2点だけ)で?」と驚かれていました。
胆のうは肝臓(胆のうの上の茶色い大きな臓器)と隣り合わせでつながっています。胆のうが疲れているということは、同時に肝臓も相当疲れてズッシリと重たくなっています。
内臓全体の位置関係上、肝臓が重たくなると、それより下にある内臓をすべて圧迫する状況になり、お腹が重く感じるのです。
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実はこの日のポイントとして調整したところは、あと2点ありました。
ひとつは頭の後ろ、眼の真裏にあたる点。ツボでは「脳空(のうくう)」と呼ばれ、眼の疲れの反応が現れます。右の脳空がとても凝っていました。

漢方では眼は肝と連動すると考えます。
右肘も肝臓と連動することは前回(2016年4月16日ブログ)お話ししました。長時間のデスクワークで凝り固まった眼や肘を通じて、肝臓も疲れるのです。
これまでお話しした状況を整理してつなげると、「長時間のデスクワーク→右肘と右目疲労→肝臓と胆のう疲労→右肩凝り(弾いた2点が核となる)とお腹の重さ(肝臓が上から圧迫する)」
このような流れが浮かび上がります。ポンッと弾じいた2点は右肩凝りの核であると同時に、肝臓・胆のう疲労を整える点だったのです。
均整法では「頭脳型」「骨盤型」「消化器型」など、体型を姿勢や動きによって12種類に分けて考え、さらに悪姿勢や偏った動作からか来た歪み(外界からの歪み)か、内臓疲労から来た歪み(内界からの歪み)かを分けて調整します。
この日は「消化器型(内界)」調整。背中の2点はそのときに用いる胸椎4番と9番でした。
すべての不調を、均整法はかたちや動きに置き換える視点を持っています。
病院での受診も常に頭に置きながら、均整法視点もぜひ、ご活用下さいね。
※12種体型については、こちらもどうぞご参考に。快風院症状別体型紹介ページ『12種体型』
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施術は首・肩を直接よりも、胆嚢の緊張を解いていくとよい様子。均整法12種体型では「消化器型」調整が当てはまります。
その流れの中、お腹への操法が印象に残ったのでしょう、施術後に「家で自分でお腹を押してもいいですか?」とのご質問を受けました。
無茶をしなければ押してもよいのですが、それにはコツがあります。
今回の施術では、お腹の調整はいちばん最後。その前に、胆嚢と連動している椎骨(胸椎10番他)や筋肉(ふくらはぎの腓腹筋、太もも横の大腿筋膜張筋他)、経絡(胆経。下図参照)から、それぞれ胆嚢に向かう何本かの歪みラインを整えておきます。

そのため、お腹の調整の頃には8割方、胆嚢はゆるんでしまっているのです。
自分で家で触る場合はまだ10割、胆嚢の緊張があると考えたほうがよいでしょう。しかも、その10割は、上記の椎骨・筋肉・経絡の歪みラインと絡み合っての10割なのです。
よって、自分でお腹を押すときには、胆嚢から出発して、それぞれの歪みラインを全部ゆるめる覚悟で……って、胆経? 胸椎10番? 大腿筋膜張筋?? そんな細かいところまで、まず覚えきれないですよね。ここはやはり均整師の施術に任せて下さい。
自分で触るときには、体って全部つながっているんだ、胆嚢だけが疲れているんじゃないんだということだけ覚えておいて、やさしくお腹に手を当ててあげて下さい。押さなくても、当てるだけでいいのです。
人は無意識に自分の体の疲れているところに手を当てます。
仰向けに寝たとき、お腹に手を置く人は、置いたところにある内臓が疲れています。頭の後ろで手を組む人は頭が疲れています。

胆嚢が疲れていれば、右胸の下辺りに手が。全身のつながりをイメージしながら両手を重ねてしばらく当てていると、手のひらの下でギュルギュルギュルッと音がして、フーッと胆嚢がゆるむのを感じるでしょう。
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※均整法では歪みを「消化器型」「頭脳型」「骨盤型」など12種類に分けて調整します。12種体型についてはこちらもどうぞご参考に。快風院症状別体型紹介ページ『12種体型』
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全体的に張っているようですが、よく観させていただくと、部分部分に何ヶ所かコリが感じられます。
特に「胃の出口(幽門)」と、

「胆のうからの総胆管、膵臓からの膵管が合流して十二指腸へつながっている部分(ファーター乳頭)」の2ヶ所が凝っていました。

コリを見つけたからといって、お腹をギュウギュウ押したりもんだりはしません。
これらは体の右側で、腰椎1〜2番くらいの高さに位置していることから、コリなどがあれば、腰椎1〜2番の歪みとして現れます。そこを背中側から整えればよいのです。
今回の女性の場合もこれら腰椎の右側に強く現れていました。じっと押さえて整えているうちに「先生、右耳にも響きます」と。
さらに詳しく伺うと、ここ最近、右耳の違和感にも悩まされていたとのことでした。
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前回の記事「肝臓疲労による頸椎の歪み」では、肝臓疲労による胸椎から頸椎にかけての右カーブとバランスをとるために、頸椎と頭蓋骨の間で左カーブして右耳を引っ張る歪みについてお話ししました。
今回は、最後に右耳を引っ張るところは前回と同じですが、その原因は胃・胆のう・膵臓疲労による腰椎から始まった、胸椎・頸椎にかけての右カーブ。
腰椎を介して2ヶ所のコリがほどけ、脊柱の右カーブが整うにつれ、耳への引っ張りが解放され、響きとして感じられたのでした。
脊柱は体調に合わせて左右にカーブしたり捻れたりしながら、全体としてバランスを取ります。
そのときに、背骨(椎骨)が4つおき、または5つおきにバランスを取り合うことが多く、均整法ではその性質を利用して体型を12種類に分け、整えていくのです。
※12種体型についてはこちらもどうぞご参考に。快風院症状別体型紹介ページ『12種体型』
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