左右のアキレス腱を比べてみると、左が倍くらい硬くなっていました。
一時的な不調で、原因が明確な今回の場合。アキレス腱だけではなく、アキレス腱を含む、ふくらはぎの筋肉(ヒラメ筋や腓腹筋)全体が硬くなっていました。
ヒラメ筋が動くとき、その中心となる運動点(モーターポイント)と呼ばれる点を探ってしばらく押さえていると、ヒラメ筋が弛むにつれてアキレス腱の硬さは左右同じに。
せっかく均整を受けに来て下さったのですから、もちろん全身のバランスもしっかり観させていただきます。
ヒラメ筋の運動点のさらに大もとは、腰椎や骨盤から伸びる坐骨神経。
一日中、無理な歩き方で酷使した骨盤左側の関節(仙腸関節)の動きも少し悪くなっていましたから、12種体型に照らし合わせつつ、整えさせていただきました。
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『各地の身体均整院』
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今回のような、あるいはさらにひどい捻挫のような状態は、自然に治ったように見えてもそのまま放っておかずに、一応はもともとのあるべき姿にきちんと戻っているかどうか、確認しておくと安心です。
例えば足首の関節がわずかにずれた状態でその後を過ごしてしまうと、そのわずかなきしみが、日々坐骨神経を伝わって骨盤内に届き続けます。
原因不明の生理痛など、婦人科系の不調にお悩みの女性であれば、足首からの余分な刺激が骨盤内に収まっている子宮や卵巣を刺激し続けている場合もあるのです。
特に捻挫がくせになっていて、何度も足首を痛めたことのある女性は、一度チェックしてみるとよいでしょう。
※「12種体型」についてはこちらもどうぞご参考に。快風院症状別体型紹介ページ『12種体型』
※あなたのお悩み、痛む箇所をキーワードとして、右欄にある検索窓で、当ブログ内を検索してみて下さい。お悩み解消に役立つ情報が、きっと見つかります→
去年の夏、2009年8月15日の記事で、仙骨の状態により発生する腰痛の種類についてお話ししました。
仙骨の上半分(副交感神経ゾーン)と下半分(交感神経ゾーン)、どちらが凝っているか。
例えば下半分が凝っているとすると交感神経は過敏気味。上半分の副交感神経ゾーンは力が抜けてへなへなになっており、その不安定さのため骨盤で背骨を支えきれず、ギックリ腰など、腰痛につながります。
上下のどちらかが凝っているこの状態は、バランスが乱れてからまだ日が浅いとも言えますが、今回の女性は、上下ともにへなへなになっていました。
これは仕事やプライベートにおけるストレスが長年続き、それに対処する自律神経が交感神経、副交感神経ともに疲れ果ててしまったことを表しています。
心臓に関係の強い胸椎4,5番も、同じく力が抜けて凹んでいました。
施術としては「頭脳型」調整により、仙骨を上下ともにふっくらさせるように整えていきます。
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今回の施術中、印象に残ったお話。「最近、週末にあるエクササイズに参加するようになりました。体を動かしたあとは、今勉強したら、いろんなことがスッと頭に入るだろうと感じます」。
これが自律神経の疲れがとれた状態です。
自律神経の疲れが度を超えてしまうと、睡眠だけではその疲労がとれず、さらには寝ようとしても自律神経が過敏すぎて寝られないということも起こります。
そういうときには、今回の女性のように、できる範囲から体を動かしてみましょう。
均整法には、「自律系の疲れは運動系でとる」という調整方法があります。
運動神経と自律神経はシーソーのような関係になっており、体を動かして運動神経を使うことによって、自律神経の疲れは解消されます。
均整の施術ももちろん役立ちます。「均整を受けると、頭が空(くう)になる」と、ある先輩均整師が表現されていました。これも張りつめていた自律神経がほどかれた状態と言ってよいでしょう。
均整を受けに来てくださるのはもちろんありがたいですが、日々の生活に体を動かす機会をほんの少し増やすだけでも、自律神経のバランスが整い、腰痛を始め、様々な不調の予防につながりますよ。
※「頭脳型」についてはこちらもどうぞご参考に。快風院症状別体型紹介ページ『12種体型』
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排卵や生理の時期に、常に腰が痛くなる女性も多いですが、そういうことがなくての急な腰痛であっても、月のリズムの影響を受けている場合があります。
女性の体は、生理のときには生理の姿勢を、排卵のときには排卵の姿勢をとっています。
具体的には、排卵では左足に体重をかけやすくなり、左へ歪む姿勢に、生理ではその逆に右足に体重をかけやすくなり、右に歪む姿勢になりがちです。
例えば生理が近い時期なのに、いつまでも排卵姿勢であり続けると、体に無理がかかり、腰痛や生理痛などの不調につながってしまうのです。
さらに細かい話になりますが、排卵時は交感神経側に、生理時は副交感神経側に自律神経のバランスが少し偏り、それに応じた姿勢になる必要があります。
左足に体重がかかる姿勢、右足に体重がかかる姿勢がそれであり、体は自ら姿勢をほどよく歪めて月のリズムに乗ろうとしています。
もうひとつ、骨盤(特に仙骨)の上半分と下半分にも、交感神経、副交感神経の状態が現れます。
今回の女性の主訴である腰痛の箇所は、骨盤の上半分でした。その周囲の筋肉がパンパンに張っています。
生理中であればこれでよいのですが、伺うと今月はもう終わっているとのこと。終わっているのにまだ生理中の骨盤のままでいることに不調の原因がありそうです。
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今回の女性は、普段はうまく月のリズムに乗れていましたが、お忙しい方でもあるため、その辺りの疲れが自律神経に影響して、今月はうまく乗れなかったようです。
そこで、その女性にとっての生理が終わった姿勢と現在の姿勢の誤差を、12通りの視点からチェックして、生理後の姿勢を取れるように整えさせていただくと、骨盤の上半分と下半分に同じ柔らかさを取り戻すことができました。
※12通りの視点とは、均整法で「12種体型」と呼ばれる、12種類の姿勢のことです。こちらもどうぞご参考に。快風院症状別体型紹介ページ『12種体型』
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目の疲れが慢性化している方は、首や肩が凝っていて、頚椎にも歪みのあることが多いです。
今回の女性は、7つある頚椎のうち、頭のほうから数えて2番目の「頚椎2番(C2)」が左に歪んでおり、それがまっすぐになった施術後、「先生、目がパッチリしました」とおっしゃっていました。
逆に、目の疲れが慢性化している方の目を先に整えると、C2の歪みが整う場合もあります。
では目の調整が先か、頚椎の調整が先かはどうやって決めるのでしょう?
歪みの状態で判断します。
歪みが強すぎると、そこを整えようと思っても強ばりすぎていて、何をやっても歯が立ちません。
頚椎とその周囲の首や肩の筋肉がガチガチでどうにもならないとき、頭の後ろ、目の真裏にあたる「脳空(のうくう)」というツボを使い、まず目を整えると、首や肩に触らなくても筋肉は弛み、頚椎は整います。
脳空だけでは調整できないほど疲れの進んだ目であれば、頚椎を先に整えます。
頚椎も目も無理であれば、全身の歪みを視野に入れ、骨盤、腰椎、胸椎と、下から順に整えていきます。
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それでもまだ残るなら、次は肝臓、次は足首etc.と、目や頚椎と連動しやすい箇所を順番に整えていくうちに、いつの間にか頚椎もまっすぐに、左右で大きさの違っていた目も整っていきます。
※全身の歪みを均整法では12種類に分けて考えます。こちらもどうぞご参考に。快風院症状別体型紹介ページ『12種体型』
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このようなお悩みの男性、多いです。
まず、逆にお酒の飲みすぎや、食事の摂りすぎの方に現れやすい肝臓の反応を、均整法の視点から見てみましょう。
下図の首にある点は「迷走神経」といって、内臓を動かしている神経の出発点です。
この神経の流れから、暴飲暴食により肝臓が慢性疲労に陥ると、左右の点のうち左側に凝り、圧痛が現れやすく、頚椎の変位も起こします。
このことから、均整法では「左側に首が倒しにくいと肝臓、右側では膵臓に負担がかかっている」として、歪みの原因の目安にすることもあります。

しかし、今回の男性の場合、この点には凝りも圧痛もありませんでした。これはどういうことでしょうか。
肝臓はアルコール代謝以外にも、たくさんの仕事を担っています。
ストレスに対抗することもそのひとつ。
人はストレスを受けると、図にある迷走神経とは別の「交感神経」という、背骨に沿って走り、そこから各内臓に分かれている神経が働いてそれに対処します。
その際には、肝臓も交感神経による活動が多くなるため、図の点には凝りも圧痛も出ないのです。
以上のことから、肝臓の数値に問題がある場合、同時に首凝りも感じれば「お酒の飲みすぎ」「暴飲暴食」「喫煙」など、首凝りがなければ「睡眠不足」「仕事上やプライベートでのストレス」などの原因が考えられます。
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肝臓をどのように整えるかはその人ごとに違います。均整法で分類する12種種類のパターンに沿って整えていきます。
暴飲暴食での肝臓慢性疲労であれば、12種類のうち「消化器型」調整になることが多いでしょう。
今回の男性の場合、転職後の仕事の忙しさが影響していたため、「頭脳型」調整で頭の疲れ(=交感神経の疲れ)を解消し、その結果として肝臓の疲れをとる、肝臓には触らないパターンの肝臓調整をさせていただきました。
※「頭脳型」など12種体型については、こちらもどうぞご参考に。快風院症状別体型紹介ページ『12種体型』
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