背骨を上から下まで指先でスーッと触らせていただくと、胃の反応が出やすい胸椎7番、5番、3番(胃の歪みは「シチゴサン」と覚えます)に、指のひっかかる感じがありました。
月に1回施術させていただいているので、いつもと違う歪みがあれば、すぐに分かります。
では、歪みの現れていたシチゴサンを整えればよいかというと、今回はどうやら違うようでした。
背骨の歪みよりも、肋骨が全体的に固まっており、お腹側の「ハの字(下図参照)」の角度がいつもより急角度に。

こうなると、胃の神経が云々というよりも、上からかぶさってきた肋骨自体に胃が圧迫を受け、動きを抑えられてしまいます。

2005.5.30「快風院 症状別体型日記」~肝臓の位置~より
そのような見たてをお伝えすると、とても手がかりになりそうな出来事をお話しして下さいました。
バイオリンの演奏会が近々控えていて、その追い込みレッスンで大変忙しいとのこと。
バイオリンを支える姿勢を長時間取り続けた影響もあるでしょうし、仕事とレッスンの掛け持ちで疲れ、呼吸も浅くなっていたかもしれません。
シチゴサン調整は後回しにして、肋骨から先に整えると、肩甲骨の間でジグザグになっていたシチゴサンも、つられるようにまっすぐになりました。
具体的には横隔膜や前鋸筋が調整ポイントです。
今の時点では、施術によって疲れが解消した上に、演奏時の姿勢や動きも変わるのは、うれしいこととは思います。
近い将来的には、バイオリンを弾けば弾くほど、また例えば、歩けば歩くほど、日常動作をすればするほど、自ら体がほぐれ、歪みも解消できればいいですね。
そんな体作りへのお手伝いを、これからもさせていただきます。
※均整法では「肋骨型」「骨盤型」など、姿勢と動きを12種類に分けて考え、調整します。こちらもどうぞご参考に。快風院症状別体型紹介ページ『12種体型』
※あなたのお悩み、痛む箇所をキーワードとして、右欄にある検索窓で、当ブログ内を検索してみて下さい。お悩み解消に役立つ情報が、きっと見つかります→
例えば、地元で昔から均整を受けていて、何年か前、ご夫婦で都内に引っ越していらした女性。
引き続き均整を受けたいと、グーグルで「均整」と検索し、当院を見つけて下さいました。
先日の朝も外出する際、ご主人に「均整院に行ってくるね」と。
「美容院」や「病院」と同じくらい、こちらの女性の日常に「均整院」が普通にあることを、とてもうれしく思いました。
定期的に均整を受けて調子のよい奥様の様子に、ご主人も興味を惹かれ、時々いらして下さるようになりました。
最近のご来院時。お話を伺うと、春にひどく尻餅をついてから、首が後ろに曲がりにくく、例えば天井を見上げると、痛くはないけれど、最後まで見上げ切れないのだそうです。
尾骨が折れたかと思うほどひどい衝撃だったようですが、幸いにも折れてはいなかったとのこと。
均整法では今回のような場合、折れてはいなくて、すでに何ヶ月も経っていたとしても、「歪み」として残っていれば、それを整えます。
やはり残っていましたので、胸椎7,8番調整による尾骨調整。
尾骨の歪みを放っておくと、後々まで、全身の動きや感覚に影響を及ぼしやすいのです。
その後、頸椎を観させていただくと、首を後ろに曲げたときにカーブの頂点にあたる頸椎4番の右側に、歪みとコリが残っていました。

首を後ろに曲げる動作調整は、均整法12種体型に当てはめると「前後型」調整となります。
前後型を構成する椎骨には頸椎4番、胸椎5番、腰椎1番、仙椎4番などがあり、そのうちのどれかを整えると、他も連動して整うという性質を持っています。
今回の男性の場合、頸椎4番のところで首を後ろに曲げると違和感がありますから、そこには触らず、尾骨に近い仙椎4番などから頸椎4番を狙って整えさせていただきました。
お帰りの際、玄関の天井をしっかり見上げて下さいました。
病院では痛めた患部そのものの治療、均整院では全身のバランス調整。ぜひ使い分けてみて下さいね。
『身体均整法学園 Facebookページ』
快風院『均整日記』、おかげさまで今年の4月で10年目に入りました(感謝)。当ブログの考え方の核となる身体均整法。その学園Facebookページが立ち上がりました。どのようにして身体均整法を身につけていくのか、日々の授業の様子を知りたい方はこちらまで☆
『身体均整法学園』
『各地の身体均整院』
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※均整法では「前後型」「左右型」「回旋型」など、姿勢や動作を12種類に分けて考え、調整します。こちらもどうぞご参考に。快風院症状別体型紹介ページ『12種体型』
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ある2日間のお客様。不調の内容はご覧の通りバラバラですが、施術のポイントが共通していた方々です。
それは「横隔膜(おうかくまく)」。
横隔膜は、肋骨のハの字から脊柱に向かってドーム状に位置し、胸とお腹を分け、呼吸のときに上下動して肺の動きを助けます(図1、2参照)。
【図1】

横隔膜も筋肉ですので、呼吸が浅かったり、猫背姿勢で胸をいつも縮めて動かさないでいると凝ってしまいます。
肋骨ハの字をなぞってみると、横隔膜コリのあるところが硬くなっていますから、すぐに分かります。
左もも裏突っ張りの男性は、左側ハの字ラインに1ヶ所、右足甲の女性は右側に1ヶ所ありました。
横隔膜コリに向かって上半身が傾き、傾いた側のもも裏や、足甲にずっと体重がかかって、負担をかけていたのです。
足の甲には細かい骨が集まっていますから、耐えているうちにアーチがつぶれ、移動した一部の骨が、靴のどこかに当たるようになってしまったようでした。
右腰痛の女性は左ハの字ラインに1ヶ所。上半身が捻れながら左に傾き、逆側の右腰に負担がかかりました。
頭痛の男性は、左ハの字ラインのコリに、左後頭部が引っ張られ、アゴが右に上がった姿勢になっていました。
胃は横隔膜と隣接していますから、横隔膜が全体的に凝って縮こまってしまうと、上から押さえ込まれてしまいます(図2参照。※赤ちゃんは気にしないで下さいね)。
【図2】

目の疲れは?
いくつか考え方がありますが、今回は「肝は目に通ずる」という、漢方視点が一番はまっていました。
仕事の忙しさから肝臓が疲れ、そこから目に来たようです。
肝臓は胃よりもさらに広い面積が横隔膜に接しているため(図1参照)、横隔膜を整えると肝臓も整います。
以前、ある先輩均整師に、「ひとつだけでなく、同時にたくさんの不調を抱えている人には、横隔膜調整を大事にしてみなさい」とも教わりました。
今回は、横隔膜に関係する椎骨、胸椎8番を含む12種体型「骨盤型」調整で骨盤、特に坐骨の左右差を揃えたり、喫煙疲れなどが横隔膜コリにつながっていれば、「呼吸器型(内界)」調整を用いたりしながら、横隔膜を通して、皆さんの姿勢と動きを整えさせていただきました。
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『アレルギー性鼻炎は輪ゴム1本でよくなる』
(田川 直樹, おかの きんや共著/リンダパブリッシャーズ刊)
俗に‘腰骨(こしぼね)’と呼ばれる付近。銭湯で入浴後、コーヒー牛乳を飲むときに手を当てる、骨盤の角です。
押されるまでは、そんなところが気持ちいいなんて思いもしなかったとのこと。
腰痛でも、肩や背中の痛みや凝りでも、症状が軽いうちは、背骨に近いところに反応点(原因に結びつく点)や調整点(施術すべき点)があります。
均整法では、背骨ラインを中心として、脊柱起立筋の山を越えた辺りまでをおよそ4等分し、それぞれ背骨に近いラインから1側(いっそく)、2側(にそく)、3側、4側と呼んでいます。
軽いうちは1側や2側に、慢性になればなるほど、背骨から遠い4側に反応点、調整点が移り、最後には体の横のラインに。
経絡線では「胆経」 にあたります(下図参照)。

胆経は4側のさらに外側のため、場合によっては5側とも呼びます。
慢性的に肩が凝る、腰全体が重いなど、原因箇所がよく分からないときには、5側(胆経)ラインをよく調べてみると、解消への手がかりがつかめるのです。
今回の女性の場合、肩・首周りの凝りが慢性的になっており、上図の人の帯の辺り「居髎(きょりょう)」への施術が、肩・首周りへの直接施術よりも、胆経(5側)ラインに沿って、心身へ深く届いた様子でした。
※均整法では胆経を「左右型」、膀胱経を「前後型」など、経絡を12種体型に当てはめて考えます。こちらもどうぞご参考に。快風院症状別体型紹介ページ『12種体型』
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※下の図は、2017年3月7日フェイスブック投稿用に追加掲載しました。
