観させていただくと、凝っていると感じる位置は左肩甲骨の内側。胸椎5番の左側が凹んでいました(下図参照)。

その付近の筋肉も硬くなく、逆に周囲に比べてフニャフニャッとやわらかくなっています。
椎骨が凹んでいたり、凝っていると感じる箇所の筋肉がやわらかいのは、内臓疲労の現れであることが多いです。位置的に、心臓の疲れが出た様子。
立った姿勢を観させていただくと、少し右に捻れた姿勢になっていました。
通常はその姿勢の向きに沿って、体は捻りやすくなっていますが、今回の男性の場合、逆に左に捻りやすくなっていました。右には少ししか捻れません。
このように、姿勢と動きが逆になる場合も、内臓疲労のひとつの指標です。
これらを総合して判断すると、心臓疲労から体が左に捻りやすくなり、夏から最近にかけ、日常動作中、左足に体重がかかり、左膝への負担となった様子。
『身体均整法学園』東京校・大阪校・札幌校
『各地の身体均整院』
『取材・広報』
施術としてはF5内界(フォーム5内界)調整。
胸椎5番の凹みが徐々に上がり、周囲の筋肉に、いい意味での張りが出てくるのをチェックしながら施術を進め、左右同じように捻れるように調整させていただきました。
夏の疲れが様々なかたちで顔を出す時期です。「これも、もしかして?」と心当たりのある方、遠慮なくお問い合わせ下さいね。
※均整法では悪い姿勢や動作が原因する歪み(外界からの歪み)ばかりではなく、その方のどの内臓から歪み(内界からの歪み)が生じやすいかを12種類(F1〜12)に分けて考え、調整することもできます。こちらもどうぞご参考に。快風院症状別体型紹介ページ『12種体型』
※あなたのお悩み、痛む箇所をキーワードとして、右欄にある検索窓で、当ブログ内を検索してみて下さい。お悩み解消に役立つ情報が、きっと見つかります→
せっかく運動の習慣がつきかけた頃、どこかを痛めて中断し、そのまま再び運動から遠ざかってしまう方、多いです。
今回の男性の場合も、もしもそうなっては非常にもったいないこと。
股関節自体の治療はお医者さんに任せるとして、今後の予防と運動の習慣化のために、なぜ痛めたのか、歪みの視点からの原因を探ってみましょう。
原因は骨盤とその周辺にありました。左の仙腸関節(下図参照。仙骨と腸骨の間)と、腰椎4番と5番(下図参照。白色の椎骨)の左側がとても硬かったのです。

股関節とこれらの関節は近いため、連動します。特に股関節の調子は、腰椎5番に影響されやすいのです。
首(頸椎)を自分でポキポキ鳴らすクセのある人、いませんか?
1番から7番まである頸椎は、それぞれの間の関節が自分の受け持ち分の動作範囲を持っており、全体で協力して顔を左に向けたり、うなづいたりしています。
中にひとつかふたつ、硬くて動きにくい関節があると、例えば隣の関節がその分まで肩代わりして動きすぎ、痛めてしまうことが。ポキ音も、動きすぎている関節から出やすいようです。
もちろん、硬い関節自体が調子をくずすことも。それら関節の状態を特定して、施術では整えていきます。
股関節も同じ。仙腸関節や腰椎と協力し合ってこそのやわらかさなのです。それぞれの受け持ち分をきちんと動けば、股関節への負担は分散されます。
ところが、今回の男性はこれらの関節が硬くて動きがなく、開脚ストレッチの伸びを、股関節以外へと分散できませんでした。
その状態で「もう少しもう少し」と、がんばっているうちに、股関節のみに過剰な伸びをかけてしまい、痛めた様子。
施術は、特に股関節と腰椎5番との連動を重視し、さらにそこからの連動の強い、腰椎1番、胸椎9番、5番などを含む体型「前後型」調整。
今後の予防のために、上記のしくみをお話ししつつ、腰椎5番を通して仙腸関節や股関節を整えさせていただきました。
引き続きよい運動習慣を継続できますように。
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※「前後型」「左右型」など、均整法では歪みを12種類に分けて考え、調整します。12種体型については、こちらもどうぞご参考に。快風院症状別体型紹介ページ『12種体型』
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少し復習しますと、
◯歪みは背骨や骨盤だけではなく、手足の骨(関節)にもある。
◯手足の関節をスムーズに動かすための神経は背骨の間から伸びているため、手首を整える前に背骨の歪みを整えることが大切。
◯手首と連動しやすい背骨(椎骨)は頸椎7番。
◯その7番を含んだ背骨全体の歪みを整えると、手首の歪みも整う。
これは手首を動かしている神経を通して、手首と頸椎7番を、整えるべき一本のラインで結んだ例です(詳細は8月10日分記事を参照して下さい)。
経絡のラインで結ぶと、施術がピッタリ決まる場合もあります。
例えば手首の親指側が不調なとき、そこを通る肺経ライン(下図参照)で胸椎3番と手首を結びます。

胸椎3番は肺兪(はいゆ)というツボ(経穴)に近いため、その胸椎3番を含んだ背骨全体の歪みを整えても、肺経ラインを通して、手首の歪みが整います。
関節の「かたち」で結ぶとピッタリな場合も。
手首の関節を包むように触らせていただいたときに、丸っこいかたち、ゴツゴツしたかたち、捻れたようなかたち。人によって様々に感じられます。
均整法では手首のみならず、全身の体型も、丸っこい「消化器型」、ゴツゴツした「呼吸器型」、捻れた「回旋型」など、12通りに分けて考えます。
消化器型であれば「頸椎1番、胸椎2番、10番、仙椎1番」。呼吸器型であれば「胸椎1番、9番、腰椎5番」など、各体型の中心となる椎骨も決まっているため、それらを整えると、体型と手首との、同じかたち同士が連動して、手首も整います。
均整師は施術中、毎回同じ手順の繰り返しではなく、神経、経絡、かたち、体型など、その人の不調箇所と全体が、どのラインで結ばれているか、どのライン調整が今回はいちばんピッタリなのか、常に設計しながら施術を進めているのです。
「えーっ? どういうこと??」の世界かもしれませんが、それはひとまず脇に置き、ご自身の体の変化を、ぜひ感じてみて下さいね。
※上記以外にも「骨盤型」「頭脳型」「筋肉型」など、体型を12種類に分けて考え、全身のバランスを調整します。こちらもどうぞご参考に。快風院症状別体型紹介ページ『12種体型』
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「歪み」の視点から、調子のよい左手首とのかたちを比べさせていただくと、わずかに右のほうが太く感じられます。
歪みというと、まず背骨が思い浮かびますが、このように手足の関節にも歪みは起こります。
「関節が開いている」などと表現され、歯車が噛み合っていないイメージです。
手首を反らす(背屈する)ときには、主に手のひらの中の細かな骨(有頭骨や月状骨、舟状骨など。下図参照)、捻るときには橈骨と尺骨(下図では白色の骨)で構成される関節に歪みの起こることが多いです。

歯車が噛み合っていないまま、無理に動かし続けては、余計に痛めてしまいます。
例えばこのような書籍をテキストに、手首を始め、肘や肩関節の歯車がどこで引っかかっているか、歪みの検査法を学ぶことができます。
歯車をスムーズに動かすための神経は、背骨の間から伸びてきていますから、手首を整える前には、やはり背骨の歪みを整えることも大切。
こちらは脊柱の歪み検査のテキスト例。
『脊柱モーション・パルペーション(三冊ともに科学新聞社刊)』
背骨から手足に伸びる神経の配列は決まっていることから、「手首」と頸椎7番、「膝」と腰椎3番など、手足の各関節と対応しやすい背骨(椎骨)を、公式のように設定することができます。
今回は手首ですので頸椎7番。これで手首から頸椎7番まで、歪みのラインが結ばれました。
手首の不調であっても、均整法では全身の歪みの一部と見ます。
頸椎7番の歪みが、さらにどこにつながっているかをたどっていくと、骨盤のかたちを左右する、腰椎4番付近でした(下図の白色椎骨の上側)。

実際、腰椎4番の歪みから、右腰の筋肉が右骨盤(腸骨)を引っ張って、開いていました。
右腸骨と腰の筋肉の境目を押させていただくと、ご自身では気がつかなかった強い凝りを感じられた様子。
「ここから手首まで凝り(歪み)のラインで結ばれていますよ」とお伝えすると、「えっ?!」と驚かれていました。
30代のある女性も、同じく右手首の不調で、頸椎7番から腰椎4番までは同じ流れでしたが、さらにその先をたどると、右足首の強い歪みに、骨盤を含め、全身が引き込まれていました。
今回の男性は12種体型のうち「骨盤型」を、女性は「左右型」を用いて、背骨から骨盤、足首と、全身を整えるにつれ、右の手首のかたちが、左と同じになるように調整させていただきました。
※均整法では「骨盤型」「左右型」など、姿勢と動きを12種類に分けて考え、全身のバランスを調整します。こちらもどうぞご参考に。快風院症状別体型紹介ページ『12種体型』
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左足首の動きの悪さを整えさせていただきました。
食欲に足首?
そうなのです。左足首は肝臓の、右足首は胃の働きに関係するといわれ、食欲は胃の好不調ばかりではなく、肝臓の調子に左右されることも多いのです。
具体的には、足首(足関節)を構成する骨のうち、距骨(きょこつ。下図の「距腿関節」と示されている部分のピンク色の骨)が前に出っぱり(といっても、ごくわずかな歪みです)、足首が曲がりにくくなっていました。

逆に食べ過ぎてしまう人も、左右の足首のバランスを整えると、その人にとって、ちょうどよい量に落ち着いてくるでしょう。
上記のように足首が曲がりにくく(背屈しにくく)なると、下腹部も硬くなり、特に女性では、骨盤内臓器に影響します。
均整法12種体型「左右型」調整などにより、全身の左右のバランスを整えた後、出っぱっている距骨を静かにもとの位置に戻していくと、お腹もふんわりやわらかくなります。
足首は体を支えている土台であるだけに、お腹だけでなく、全身のあらゆる部分と連動します。
均整師は仕事柄、施術を受けている自分の体内の変化を敏感に感じ取れる先生も多く、先日、ある先生への距骨調整中、「頭の中がメリメリ動きました」とのコメントをいただきました。
頭蓋骨のうち、蝶形骨と後頭骨とのつなぎ目(蝶形後頭底結合。下図の蝶形骨と後頭骨とが、頭の中で連結されている部分)が、一気に解放された様子。

この部分は「脳下垂体」と呼ばれる、多くのホルモンを分泌する器官の受け皿となっており、結合部の動きの良し悪しと自律神経バランスとは、切っても切れない関係なのです。
じんわりとした距骨調整中、ぐっすり眠ってしまわれる方もいらっしゃいます。
一瞬の深い眠りの後に訪れる、胃、肝臓、自律神経他、ご自身が前々から気になっていた部分の解放感を味わってみて下さい。
※均整法では「左右型」「前後型」など、姿勢と動きを12種類に分けて考え、全身のバランスを調整します。こちらもどうぞご参考に。快風院症状別体型紹介ページ『12種体型』
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