立った姿勢を観させていただくと、上半身が大きく右に捻れ、下半身(骨盤)は左に捻れています。
庭先の鉢植えなどが風で飛ばされないように持ち上げて移動したり、がんばっていた様子が伺われます。
重い物を持ち上げたりするとき、体を左右どちらかに捻ったりと、人それぞれにがんばりやすいポーズがあります。
そのポーズを繰り返しながらの作業により、ポーズの許容時間をこえてしまったのでしょう。
痛めた箇所は腰といっても右のお尻の上部。筋肉がコリコリと硬く凝っていました。
その付近には仙腸関節もあります(下図参照。仙骨と腸骨の間の関節)。

仙腸関節自体の捻挫などは、病院での治療にお任せします。
均整師としてできるお手伝いは、患部には触らずに、全身のバランスを取ること。
今回の女性であれば、大きく右に捻れた上半身のみを整えることで、結果的に下半身の左捻れをもとに戻すのです。
上半身と下半身がちょうど逆方向に捻れる位置にあたる下部胸椎~上部腰椎、特に腰椎1〜3番の位置からは、お尻に向かって上臀皮神経(じょうでんひしんけい)と呼ばれる神経が伸びています。
体の捻れにより、下部胸椎~上部腰椎でこの神経が圧迫を受けると、お尻の筋肉に凝りや痛みが現れることがあるのです。実際にこの範囲に歪みが出ていました。

胸椎7番と腰椎3番を含むF5(フォーム5・右回旋型)を用いて調整。
下部胸椎~上部腰椎の歪みをはさみうちにしてほどくと、上下逆捻れの姿勢がもとに戻りました。
無事に台風18号もやり過ごし、腰に来そうになったミニ台風も、大きくならないうちに消えてくれそうです。
『身体均整法学園』東京校・大阪校・札幌校
『各地の身体均整院』
『取材・広報』
※均整法では右回旋型(F5)左回旋型(F6)など、体型をF1〜12に分けて考え、調整します。こちらもどうぞご参考に。快風院症状別体型紹介ページ『12種体型』
※あなたのお悩み、痛む箇所をキーワードとして、右欄にある検索窓で、当ブログ内を検索してみて下さい。お悩み解消に役立つ情報が、きっと見つかります→
胃に関する反応は胸椎7番、5番、3番(下図参照。7月27日の記事でも触れましたが、胃の歪みは「シチゴサン」と覚えます)に出やすい傾向があります。

何度か施術をさせていただいていて、ここ最近調子がよかったし、こんな背骨はしていなかったのにと不思議に思うほど、今回は7番が左側に大きく傾き、周囲の筋肉がとても凝っていました。
何か変わったことはなかったか伺うと、先日参加した日帰りバスツアーの帰り道、バスが渋滞に巻き込まれ、座席がせまくて、きゅうくつな思いをしつつ、トイレ休憩もなく座りっぱなし。背中がガチガチになり、相当疲れたとのこと。
ちょうど胸椎7番付近の背筋を中心に、長時間の同じ姿勢に耐えていたのでしょう。
それで合点はいったものの、では7番を整えようとしても、先述の通り、周囲の筋肉が硬くなりすぎて、直接は無理そうです。
シチゴサンの他にも胃の反応が出やすい椎骨がありますから、そこから整えていくことに。
ツボでいうと胃兪(いゆ)に近い胸椎12番、ストレスからの胃疲れのときに、ペアとなって反応が出やすい厥陰兪(けっちんゆ)近くの胸椎4番にも歪みが出ていました(下図参照)。

長時間の同じ姿勢からの背中凝りにより、胃に関する椎骨を固めてしまったこと、もともとストレスから胃に負担がきやすい方でもあることから、胸椎12番と4番を含む「骨盤型 F10(フォーム10)」を選択。
胸椎7番左の凝りを、胸椎12番と4番とで上下からはさみうちにして弛めると、7番の左傾きももとに戻り、スッキリしたお顔でお帰りになりました。
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※均整法では胃の疲れ、頭の疲れ、肺の疲れ、婦人科系の疲れetc.を12種類の歪みに分けて考え、調整します。こちらもどうぞご参考に。快風院症状別体型紹介ページ『12種体型』
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立った姿勢で体を左右に捻らせていただくと、左にはよく捻れ、右には捻りにくくなっています。
なぜなのかを探っていくと、左の大腰筋(下図参照)がガチガチに固まって凝っていました。この凝りにじゃまをされ、右には捻りにくくなっている様子。

お話を伺うと、子宮筋腫ありとのこと。
婦人科系の不調がある場合、からだ全体としては左に傾くことが多く、下半身も左側に硬さや凝りなどが出やすいです。
ただし、自覚として、どちら側に凝りや痛みを感じるかには個人差があり、今回の女性の場合は左ではなく、右腰や右のお尻。
左の大腰筋の凝りにより、右側の腰やお尻が左側に常に捻られ、引っ張られることで、右側の不調を感じているようでした。
背骨を観させていただくと、腰椎3,4番がとても硬く、出っ張って感じられ、胸椎3番が逆に凹んだようにやわらかくなっています。どちらも、その椎骨と関連する内臓疲労が現れた姿と見立てられました。
腰椎3,4番は「子宮や卵巣」に関わる椎骨ですので合点がいくとして、胸椎3番の「肺」に関しては、何かお悩みがないか伺うと、2年ほど前から胸のつかえを感じているとのこと。
受診の結果、更年期に見られる症状ということで、現在もお薬を飲んでいらっしゃいました。
均整法の視点からは、腰椎3,4番が硬くなった分だけ、シーソーのように胸椎3番がやわらかくなり、肺を疲れさせている様子と観ることができます。
腰椎3番、胸椎3番の歪みに対応する「回旋型」調整により、体を左右同じだけ捻れるよう、また、両方の椎骨の硬さのバランスが取れるよう調整させていただきました。
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施術の最初には、ベッドの端に座っていただき、痛めた箇所と、どこの歪みとがつながっているかを観ることが多いです。
歪みの出ている背骨のうち、仙椎2番(仙骨を5つに分けて、上から2番目。下図参照)に軽く触れているときに、右腕が挙がりやすくなりました。

仙椎2番の歪みは、どのようなルートで右腕に通じているのでしょうか?
秋は「肺」の季節、がポイントです。これは漢方の考え方の応用です。
冬は「腎」、春は「肝」、夏は「心」、そして秋は「肺」。それぞれの季節ごと、いちばん頑張る臓器が決まっています。
頑張らなければならない反面、普段から頑張っていた場合には、頑張り過ぎて疲れてしまうことに。
腕と胴体をつなぐ肩の部分に、「中府(ちゅうふ)」と呼ばれる肺経のツボ(経穴)があります(下図参照)。

また、両側の肩甲骨の間、水平に挙げた両腕を結んだライン上に位置する、胸椎3番の付近には「肺兪(はいゆ)」と呼ばれるツボもあります(下図参照)。

肺が疲れると、肺に関するツボも疲れ、その周囲の関節が歪んだり筋肉がこわばったりするため、腕や肩の動きは、肺の調子に左右されるのです。
たまたま同じ日に、同じお悩みで来院された40代男性は、腰椎4番に軽く触れていると、右腕が挙がりやすくなりました。
実は秋は、たまたまではなく、かなりの高確率で肩のお悩みの増える季節でもあります。
言いかえれば、「肺の疲れからの四十肩・五十肩の季節」なのです。
お二人の共通項は「肺」ですが、肺を疲れさせている原因は、それぞれ異なっていました。
50代男性は、こちらも漢方の考え方ですが、シーソー関係になっている肺と膀胱(膀胱兪:仙椎2番付近)のバランスが釣り合っていなかった様子。
このようなお話をさせていただきながら施術を進めていると、1年前から前立腺の治療を行っている、と教えて下さいました。
40代男性は、こちらも肺とシーソーになりやすい大腸(大腸兪:腰椎4番付近)とのアンバランス。
同じお悩みが同じ季節に集中することはあっても、その根っこの部分では違うということです。
春は腰、秋は肩など、季節ごとに、様々なお悩みが入れ替わり現れる方もいらっしゃいます。
その場その場での辛さが軽減する施術も大事ですが、一度本腰を入れて、季節の一巡に合わせて定期的な施術を受けてみませんか。
言いすぎかもしれませんが……生まれ変わります。
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※均整法では悪い姿勢や動作が原因する歪み(外界からの歪み)ばかりではなく、その方のどの内臓から歪み(内界からの歪み)が生じやすいかを12種類に分けて考え、調整します。こちらもどうぞご参考に。快風院症状別体型紹介ページ『12種体型』
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