「最近めまいはないのですが、お腹の調子が気になって」と、30代女性のお客様Sさん。
いつもと違う体調のとき、体は様々な手がかりを表してくれています。
よくお話しする左重心・右重心と、自律神経の関係もそのひとつです。
このように、全体的には重心の偏りが大きな手がかりとなります。
また、部分的にも様々な手がかりを見つけることができます。
今回のSさんは、不調の様子が後頭骨(下図の紫色の骨)に現れていました。
後頭骨は交感神経が頑張りすぎると上がり、副交感神経では下がる性質があるのです。
Sさんは普段、どちらかというと交感神経が頑張るタイプ。後頭骨は上がっていました。
ところがこの日は大きく下がっていたのです。定期的に整えさせていただいているため、違いがよく分かります。
めまいには回転性や浮動性、中枢性や末梢性などの分類がありますが、病院での検査で大きな異常がないのであれば、肩こりや首こり、頸椎の歪みによる血流の状況も原因となります。
ただ、首がこっていても、頸椎に多少歪みがあってもめまいが起こらない人もいます。先ほどの、自律神経の状態が関わっているからです。交感神経、副交感神経のどちらが働きすぎてもめまいにつながります。
後頭骨が下がっていた今回のSさんは、一時的に副交感神経が働きすぎの状態にあった様子。
腸は副交感神経がアクセルとなりますので、アクセルを踏み込みすぎると腸が動きすぎ、お腹がゆるくなりやすいのです。
場合によっては腸が動きすぎにより痙攣し、便秘になることもあります。どちらにしても、あとでお話しするように、後頭骨や仙骨の状態をほどよく整え、自律神経バランスをとることが大切です。
自律神経の働きが、普段からどちらかに偏りがちな人は、季節の変わり目など自律神経の切り替わりが必要なときにスムーズにいかず、なかなか切り替わらなかったり、逆側に一気に切り替わりすぎたりすることがあります。
快風院『均整日記』、おかげさまで2020年4月で16年目となりました(感謝)。当ブログの考え方の核となる身体均整法。実は身につけるための学園があります。日々の授業の様子など、下記リンク先をご覧下さい☆
Sさんに伺うと、急な配置換えにより就いた業務にようやく慣れてきた時期とのこと。張りつめていた交感神経から副交感神経側への切り替えの反動が、大きすぎたご様子でした。
仙骨との連動を用いて、後頭骨がほどよく上がる方向に整えさせていただきました。
仙骨にも自律神経バランスがよく現れます。
フローリングなど、硬い床に仰向けに寝たときに、仙骨が床に当たって痛い方は、仙骨の下側(尾骨側)が後ろに出すぎているかもしれません。交感神経が頑張りすぎのときの姿です。
今年も一年、快風院『均整日記』をお読み下さり、ありがとうございました。元気で健やかな2021年でありますように。