「今日の施術で、私の左肩を、右よりも長い時間して下さったのはなぜですか?」と、施術後にAさん(40代女性)からのご質問。
左の鎖骨を整えていたときのことです。
右の鎖骨はすんなり整いましたが、左の動きが硬かったのです。右よりも長めに時間をかけてみましたが、一旦やめました。
別のところからの引っ張りが強すぎて、鎖骨だけをなんとかしようとしても、難しいこともよくあるからです。
このようなときに均整法は、別のところとの連動を用いることができます。
「別のところ」の手がかりは、たとえば体に線を引いたとして、縦線や横線、対角線の線上にあったり、筋肉や内臓、骨格の似た形同士であったりと様々に考えられます。
探しているうちに、Aさんの鎖骨が、足の「腓骨(ひこつ)」と引っ張り合っているのを見つけました。
鎖骨と腓骨、形が似ているともいえますし、経絡線「胆経(下図参照)」の線上ともいえます。
「椅子に座っているとき、左足をあぐらのように椅子に載せることがありますか?」とAさんに伺うと、
「はい、します。疲れてくるとつい……」
快風院『均整日記』、おかげさまで2020年4月で16年目となりました(感謝)。当ブログの考え方の核となる身体均整法。実は身につけるための学園があります。日々の授業の様子など、下記リンク先をご覧下さい☆
「その姿勢が在宅ワークで長くなり、腓骨の動きを固めてしまったようです」と、冒頭の鎖骨から腓骨までの流れをお伝えしました。
「左肩だけでなく、なぜ左足のスネの施術も長かったのかも気になっていたのです」とAさん。
スネかもと思ったのは、仰向けで腰の動きなどを検査中、左足の膝から下が、内側に流れるようにくせづいていたのを見つけたからでした。そのことも合わせてお話ししました。
床や畳生活では横座り(お姉さん座り)、椅子では上記のような座り方がくせになっている人、いませんか?
直接的には腰椎や骨盤の歪みを起こして腰痛などの原因となったり、連動でAさんの肩のような別のところに影響したりする場合もあります。
ただ、足を組むなど、これらのポーズは、人それぞれ疲れやすい内臓をゆるめて休ませている姿かもしれません。
女性では特に、骨盤内を無意識にリラックスさせようとしていることがよくあります。
体が整うにつれ、足を組んだり載せたりしなくなる人も多いです。
医学的視点と合わせて、均整法視点もぜひ、毎日の生活の中に取り入れてみて下さいね。